理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: GO517
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小児疾患
Dubowitz評価に基づく極低出生体重児に対する効果
*中井 久絵木原 秀樹百瀬 芳江宮原 真理子丸山 求中村 友彦
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抄録
【目的】 NICUにおいてDevelopmental Careの1つとしてポジショニングが積極的に導入されてきている。近年、ポジショニングは安静確保の目的で導入されている感が強いが、元々ポジショニングは不良姿勢の改善を目的に導入され始めた。当院では開院当初より理学療法士による極低出生体重児に対する退院前のDubowitz評価(新生児神経学的評価)を施行している。臨床において汎用されている評価法により、不良姿勢に対する影響などポジショニングの効果検証を行った。【対象】 開院当初から2002年9月までにDubowitz評価を施行した極低出生体重児73名のうち、明らかな神経学的後遺症がなく、出生因子に有意差がない症例を対象とした。対象はポジショニング(良肢位保持と定期的体位変換)導入前26名(非ポジショニング群:男15名・女11名、平均在胎週数27.3±1.8週、平均出生体重952.7±170.6g、評価日における平均修正週数42.7±3.6週、平均体重2212±353.3g)、ポジショニング導入後26名(ポジショニング群:男11名・女15名、平均在胎週数28.6±2.8週、平均出生体重1045±223.8g、評価日における平均週数39.7±2.2週、平均体重1993±360.6g)である。なお、評価日の平均修正週数と平均体重はポジショニング群の方が有意に小さかった。【方法】 非ポジショニング群とポジショニング群を旧版Dubowitz評価と新版Dubowitz評価で、評価基準が一致している姿勢、上肢リコイル、上肢牽引、下肢リコイル、下肢牽引、膝窩角、頭部コントロール、頭部ラグ、腹臥位牽垂、鎮静に関する評価を用いてMann-Whitney’s-U検定による比較検討を行なった。なお、Dubowitz評価は5段階評価(1から5)で、一般的に低値ほど低反応・低緊張、高値ほど過反応・過緊張を示している。【結果】 姿勢の評価項目において、非ポジショニング群は1(0%)、2(15%)、3(81%)、4(4%)、5(0%)、ポジショニング群は1(0%)、2(8%)、3(58%)、4(34%)、5(0%)で、ポジショニングにおいて評価値が有意に上昇した。腹臥位牽垂の評価項目において、非ポジショニング群は1(4%)、2(27%)、3(42%)、4(23%)、5(4%)、ポジショニング群は1(0%)、2(65%)、3(35%)、4・5(0%)で、ポジショニングにおいて評価値が有意に低下した。上肢リコイル、上肢牽引、下肢リコイル、下肢牽引、膝窩角、頭部コントロール、頭部ラグ、鎮静で有意差は認められなかった。【考察】 NICUにおけるポジショニングが積極的に導入され、不良姿勢の改善に効果があると認められつつあるが、臨床で汎用されているDubowitz評価においても、ポジショニングにより全身の屈筋緊張が有意に高くなることが認められた。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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