理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: GP151
会議情報

小児疾患
Huggel Buntingを用いた低出生体重児のポジショニング
*儀間 裕貴大城 昌平重森 健太鋤崎 利貴根地嶋 誠河北 実保子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【はじめに】早期産児の発達は、NICUの物理的・人的な環境とケアに影響される。児の生理的恒常性を維持し、ストレスから保護して、発達を援助するためにはポジショニングの検討が重要である。ポジショニングでは、仰臥位や腹臥位、側臥位、head elevated tilt positionなどの姿勢肢位の調整、ブランケットやマットなどを用いた包み込み、巣づくり(nesting)、スフォドリング(Swaddling)、Alsによって開発されたHuggel Bunting(Tarry Manufacturing Inc.)なども利用される。Huggel Buntingはスフォドリングをmodifyしたもので、早期産児用の「おくるみ」である。当施設でもポジショニングの一つに姿勢調整や睡眠覚醒状態の調整などを目的としてHuggel Buntingを利用している。本研究は、Huggel Buntingによるポジショニングの生理的調整および行動調整の効果について、症例検討を行った。【方法】10生日目の低出生体重児1例(出生時1490g、43.5cm、在胎週数31W2d、AP7-9、無呼吸とそれに伴う心拍数低下を時折認める)を対象として、Huggel Buntingによるポジショニング有り、無しを交互に4日間(各2日間)、同一時間の1時間について行動観察およびモニター観察、心電図記録を行った。行動観察は、ビデオ撮影を行い、NIDCAPの行動観察評価チャートを基に、呼吸状態、皮膚の色の変化、不規則な呼吸、自発運動、振戦、驚愕、twitch、表情の変化、口の動き、睡眠覚醒状態(state)について観察した。モニター観察は、無呼吸と心拍数低下について記録した。心電図はデータレコーダーに記録し、これをキッセイコムテックの解析プログラムを用いてR-R間隔を計測し、これを時系列データとして自己回帰パワースペクトル解析し、低周波成分(0.01から0.15Hz、以下LF)と高周波成分(0.15から0.40Hz、以下HF)について分析した。【結果・考察】Huggel Buntingを施行した場合、行動観察では全体的に自然な屈曲姿勢と正中位姿勢が保たれ、深睡眠State1の持続時間の延長し、驚愕・振戦様運動やtwitch、自発運動の大きさ・持続時間の減少が観察された。また、モニター観察では無呼吸・心拍低下の回数が減少した。心電図の解析では心拍変動が少なく、低周波成分・高周波成分ともに低下を示した。低出生体重児に対するHuggel Buntingによるポジショニングは、生理的恒常性の維持、state調整、ストレスの軽減に有益であるかもしれないと考えられた。報告では、さらに症例を増やし検討を加える。
著者関連情報
© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top