理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: GP150
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小児疾患
低出生体重児に対する胸部理学療法(揺すり法)の評価
*松波 智郁岸本 久美前野 豊星野 陸夫
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抄録
【目的】新生児においては、呼吸理学療法の中で胸部理学療法のみが適応となる。胸部理学療法は従来効果的な排痰を促すとされているが、その効果に関しては成人においても未だに評価が分かれており、新生児での報告は非常に少ない。今回は、我々が行っている胸部理学療法の効果を確認するため、換気モニターによる評価を行い検討した。同時に、気管内分泌物吸引の影響についても検討した。【対象】対象は、当センターNICUに入院し呼吸管理を受けた低出生体重児7例で、在胎週数は23週4日から32週3日、出生体重は576から2213g、検査時日齢は10から81であった。【方法】1.胸部理学療法手技:吸気・呼気に関係なく揺するという揺すり法の変法を用いた。2.測定:スイス・アキュトロニクス社製、小児用換気モニター「フローリアン」を使用し、揺すり法前・揺すり法後・その後の分泌物吸引後の3ポイントで、一回換気量・肺コンプライアンス・気道抵抗の3つのパラメーターを各6から25呼吸測定した。【結果】揺すり法によって、一回換気量の有意な増加と肺コンプライアンスの有意な増大を認めた。気管内分泌物吸引による影響は認められなかった。揺すり法の後に気管内分泌物吸引を行った場合でも、揺すり法前と比較すると、一回換気量の有意な増加と肺コンプライアンスの有意な増大を認めた。【考察】揺すり法を行うことで、一回換気量の増加と肺コンプライアンスの増大を認めた。はっきりとした機序は不明だが、揺すり法には吸気の流入・呼気の排出を助ける効果があるのではないかと考えられた。また末梢の分泌物が移動すること、分泌物の性状が変化することも考えられ、これらのことが肺コンプライアンスを変動させたと思われた。分泌物吸引による影響は認められなかった。現在、排痰を目的とした胸部理学療法が一般的に行われていると思われるが、今回の結果からは、低出生体重児における揺すり法の効果が、排痰よりも換気改善にある可能性を示唆している。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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