理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: HP692
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呼吸器疾患
COPD患者におけるサイクルエルゴメータと6分間歩行テスト・シャトルウォーキングテストの運動生理学的反応
*佐竹 將宏塩谷 隆信籾山 日出樹高橋 仁美敷中 葉月清川 憲孝菅原 慶勇土橋 真由美笠井 千景河谷 正仁
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抄録
【はじめに】 6分間歩行テスト(6MWT)やシャトルウォーキングテスト(ISWT)は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の運動負荷試験としてよく用いられており、トレッドミルやサイクルエルゴメータ(CET)と比較した研究もある。しかし、6MWTとISWTを呼気ガス分析にて検討した研究はない。本研究の目的は、COPD患者を対象に、CET、6MWT、ISWTを呼気ガス分析や動脈血酸素飽和度(SpO2)などから比較検討することである。【方法】 対象はCOPD患者12名(男性11名、平均年齢72±7歳、1秒率53.6±22.1 %)であった。CETは50RPMにて0wattから1分ごとに10wattsずつ負荷を増した。ISWTは録音された音に合わせて1分ごとに歩行速度を速めていくものであり、患者の訴えや歩行速度を維持できなくなったときに終了した。6MWTとISWTは2回行い、長く歩いた方を採用した。すべての運動負荷試験において、呼気ガス分析、心拍数(HR)、SpO2、呼吸困難感を測定した。呼気ガス分析には、携帯型呼気ガス分析装置(MetaMax 3B、コルテックス)を用い、分時換気量(V(dot)E)、酸素摂取量(V(dot)O2)、二酸化炭素排出量(V(dot)CO2)を求めた。SpO2と呼吸困難感は1分ごとに記録した。【結果】 CETでは、最大負荷量は77.5±31.9 wattsであった。最大歩行距離は6MWTで490.6±93.0 m、ISWTで360.8±155.5 mであった。すべての運動負荷試験において、最大V(dot)Eと最大V(dot)CO2に有意差がみられなかった。最大V(dot)O2は、ISWTで高い値を示した(CET:13.86±3.62 ml/min/kg、6MWT:14.47±2.13 ml/min/kg、ISWT:16.10±4.11 ml/min/kg)。SpO2は、CET(93.3±2.3%)よりも、6MWT(89.8±3.3%)とISWT(88.9±3.8%)で、有意に低値を示した(p<0.05)。運動負荷試験中のV(dot)O2の変化は、CETとISWTで負荷量の増大とともに直線的に増加したが、6MWTでは、運動開始後2分まで急激に増加し、その後、高い値を維持した。【考察】 Palangeらは、最大V(dot)CO2がCETよりもISWTで低値を示し、Troostersらは、最大V(dot)Eと最大V(dot)CO2がCETよりも6MWTで低値を示した。我々の結果との違いについて、被験者数が少なかったこと、体格の違いや標準偏差が大きかったことなどが考えられる。SpO2がCETよりも6MWTやISWTにおいて低値を示したのは、運動に参加した筋量の違いを反映しているのであろう。6MWT中のV(dot)O2の変化については、テスト開始後2分まで急上昇し、その後残り4分間は、高いV(dot)O2を維持していることから、CETやISWTと違って、6MWTは日常生活活動における維持能力をより反映することができるものと考えられる。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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