理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: NP186
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測定・評価
膝関節屈曲・伸展位における膝関節回旋について
*泉水 朝貴比嘉 裕平良 眞也川端 哲弥安里 和也石川 みどり松浦 淳子座波 信司平良 進高良 秀
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抄録
【はじめに】変形性膝関節症やスポーツ外傷による膝関節外傷等で生じる問題の中に、膝関節回旋機能の破綻が要因となっていることがある。今回我々は、開放的運動ではあるが膝関節伸展位と屈曲位の膝関節回旋角度の計測を行い、若干の知見が得られたので、ここに報告する。【対象】本研究の趣旨に同意が得られた、健常人男性5名10膝を対象に行った。【方法】マーカーを被験者の大腿骨内側・外側上顆と脛骨粗面中央に貼付。被検者を背臥位にし股関節内・外旋中間位をとり膝関節完全伸展位と膝関節90°屈曲位を水平面上足底方向からデジタルカメラで撮影した。撮影した画像に、コンピューター上で大腿骨内側・外側上顆とを結ぶ線を引き、次に脛骨粗面に立てたマーカーの投影線を交差させ、角度を計測した。分析は、伸展位を基準とし、屈曲位での計測角度の増減を検討した。角度が増加すると内旋、減少すると外旋として、どちらに動いたかを定義した。なお、膝関節屈曲‐伸展角度はゴニオメーターにて日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会の測定法に準じ計測した。【結果】対象10膝中、膝関節90°屈曲位で膝関節内旋が、5例。膝関節外旋が5例と膝関節内・外旋を半数で分ける結果となった。【考察】今回、我々が行った研究からは統一した結果は得られなかった。しかし、これまで考えていた膝関節屈曲・伸展時に生じる回旋運動のような、単一的な動きではないようである。今回、膝関節の立位時静的アライメントの検討は行っていないので、言及することは出来ないが、上記結果は膝関節の内・外反に影響を受けているのではないか、と考えている。例えば、膝関節内反位で静止立位をとると、下腿が内旋位・大腿が外旋位になると入谷らにより報告されており、その膝関節では大腿骨内・外顆に対し、脛骨内側顆が後方・外側顆が前方に位置する。上述の状態を開放的運動に置き換え、解釈すると、膝関節屈曲時には下腿が外旋を生じるものと考えられる。また、膝関節の生理的外反を保った例では逆のことが起こると考えている。上記のように、膝関節内・外反で起こる下肢機能軸の内方化、または外方化によって、膝関節の回旋軸にも変化を生じている、と思われる。【終わりに】今回の研究において、膝関節屈曲‐伸展において膝関節の回旋パターンは個々によって異なったことは興味深い。今後は、下肢アライメントが膝関節の回旋に影響を与えているのか検討していきたい。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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