理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: NP288
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測定・評価
トレッドミル運動後の足圧中心動揺変化
姿勢制御機能の定量測定の試み
*牧迫 飛雄馬谷 浩明
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抄録
【目的】足圧中心動揺(以下COP)測定にて,トレッドミル(以下TR)上での走行および歩行前後の経時変化,ならびにTR速度による影響を検討することを目的とした。さらに,TRによる外乱刺激介入で静止立位バランスに与える影響を検討し,姿勢制御機能の評価としての可能性を探ることを目的とした。【方法】対象は,若年健常成人20名(男性9名,女性11名,年齢23.7±1.6歳,身長164.6±8.1cm,体重60.1±9.1kg)とした。COPは閉眼開脚にて30秒間測定した。その後,8km/hでのTR走行を1分間施行し,終了10秒後,120秒後,210秒後に再度COP測定を行った。同様の手順で4km/hTR歩行前後にもCOP測定を行った。各速度条件の測定間は,2週間以上の間隔を空けた。数値解析として,動揺総軌跡長(以下LNG),外周面積(以下ENV)を用いた。統計学的検討は,TR速度とTR運動後経過時間を要因とする二元配置分散分析と各項目においてTR速度毎にTR運動後経過時間を要因とする一元配置分散分析を行い,さらにTukey-Kramer’s methodを用いて水準間の比較を行った。すべての統計学的処理において危険率は5%未満とした。【結果】LNGに関して,4km/hTR歩行前後の変化はTR前27.6±6.5cm,10秒後32.8±7.9cm,120秒後30.4±7.5cm,210秒後26.1±6.8cmであり,8km/hTR走行前後はTR前29.2±9.5cm,10秒後39.4±10.5cm,120秒後29.8±6.3cm,210秒後27.8±7.5cmとなり,速度間に有意な主効果を認めた(p<.05)。また,4km/hTR歩行課題において,TR前と10秒後,10秒後と210秒後,120秒後と210秒後で有意差を認め(p<.05),8km/hTR走行課題では,TR前と10秒後,10秒後と120秒後,10秒後と210秒後で有意差を認めた(p<.05)。同様にENVでも速度間に有意な主効果を認めた(p<.05)。EVNでは,4km/hTR歩行課題で時間経過において有意差を認めず,8km/hTR走行課題では,TR前と10秒後,10秒後と210秒後で有意差を認めた(p<.05)。【考察】LNGとENVにおいて,TR運動直後は高値を示し,時間経過とともに低下し,120から210秒経過するとその値は開始前とほぼ同等程度まで回復した。この変化は,TR運動時の速度による主効果を認め,TR速度つまり適応する刺激の大きさによって異なることが示唆された。評価パラメータとしてCOP測定値を用い,外乱刺激に対する適応運動後の変化をとらえることで,姿勢制御機能を定量的に評価できる可能性があると考えられる。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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