理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: OO493
会議情報

物理療法
ハムストリングスに対するTENSの二次的筋緊張緩和効果とホールド・リラックス及び持続伸張の一次的筋緊張抑制効果との比較
*川村 博文鶴見 隆正辻下 守弘岡崎 大資甲田 宗嗣
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【はじめに】通常、経皮的電気刺激(以下TENS)は鎮痛効果を主な一次的効果とし臨床現場で応用が行われてきた。一方、TENSの二次的効果には筋緊張緩和効果が臨床経験的に考えられている。本研究ではTENSの二次的効果の筋緊張緩和効果と徒手的療法の一次的効果の筋緊張抑制効果との比較を行ないTENSの二次的効果の活用方法を検討したので報告する。【対象・方法】対象は健常成人10例(男10)、平均年齢32.9±12.0歳とした。ハムストリングスに対するTENSの実施方法はPerottoの方法に従い右大腿二頭筋長頭と半腱様筋に刺激を行った。本刺激部位はほぼモーターポイントに相当していた。刺激装置はパルスキュアー KR-6(OG技研)を用いた。刺激条件は周波数25Hz、スパイク波、パルス幅250μsec、刺激時間2sec、休止時間1sec、刺激電流強度30mAから70mA、治療時間2分間とした。ハムストリングスの筋緊張に基づく最大Straight Leg Raising(以下SLR)角度はTENS前・後で測定した。ハムストリングスの筋粘性は最大SLR角度の直前角度(5度あるいは10度前に規定)で徒手筋力測定器マスキュレーターGT-10(OG技研)を用いて外果レベルのアキレス腱部で測定した抵抗値とした。最大SLR角度の直前角度では主観的な快適度をVisual Analogue Scale(以下VAS)を用いて測定した。0点は最高に不快で、10点は最高に快適とした。ハムストリングスの直上の皮膚温はDigital Thermometer(UNIQUE MEDICAL)のセンサーを貼付し測定した。ハムストリングスの直上の皮膚血流量はLASER Flowmeter(ADVANCE K.K)のセンサーを貼付し測定した。比較検討する徒手的療法にはホールド・リラックス(以下ホールド)と持続伸張(以下持続)を用いた。ハムストリングスに対するホールドは最大収縮10秒間、リラクセーション10秒間の6セットで合計2分間実施した。ハムストリングスに対する持続は30秒間伸張、休息10秒間の3セットで合計2分間実施した。3種類の治療は各10分の休息を入れ無作為に実施した。統計処理は正規化した後、一元配置分散分析法を用い、Post-hoc testはFisherのPLSD法にて行ない、有意水準は5%未満とした。【結果・考察】最大SLR角度はTENS前と比べTENS後が一番大きくなり、次にホールド後、持続後の順であり有意差があった。ハムストリングスの筋粘性はTENS前と比べTENS後が一番に減少し、次にホールド後、持続後の順であり有意差があった。最大SLR角度の直前角度でのVASはTENS前3.7と比べTENS後が6.1(1.6倍)と大きくなりより快適であり、次にホールド後が4.8(1.3倍)の順であり有意差があった。皮膚温、皮膚血流量は変化が認められなかった。TENSの二次的効果である筋緊張緩和効果に基づく関節可動域改善効果及び筋粘性減少効果は大きく、積極的に応用することが有用である。
著者関連情報
© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top