抄録
【はじめに】訪問リハビリテーション(以下訪問リハ)により日常生活活動(以下ADL)が向上する症例は少なからず存在し、個々の症例の背景を十分に評価・検討する必要がある。そこで、訪問リハを実施した対象者でADL能力が向上した症例の生活状況や他の利用している居宅支援サービスを調査し、ADLが改善するための要因を検討したので報告する。【対象と方法】 対象は、訪問看護ステーション平野で訪問リハを利用した66例(男性26名 女性40名)平均年齢75.3歳を対象とした。方法は、訪問リハ担当者が現時点での機能的自立度(以下:FIM)を評価し、それぞれの6ヶ月前又は初回訪問時の評価点と比較をした。その後FIM合計点が向上した症例をピックアップしその要因を評価・検討した。評価内容としては 性別・年齢・要介護度・基礎疾患名・訪問リハの頻度・住居環境・利用している他のサービス等をチェックした。【結果】 全対象者の要介護度は要支援1:1名 要介護1:3名 要介護2:16名 要介護3:7名 要介護4:7名 要介護5:21名 その他11名は医療保険対象者であった。FIMについては調査時が平均68.0点 6ヶ月前又は初回訪問時は67.2点で点数が改善された対象者は13名であり点数が変化しなかった症例が42名 低下した症例が11名存在した。点数が改善した13名の内訳は男性7名 女性6名 平均年齢76.0歳 要介護1:1名 要介護2:3名 要介護3:3名 要介護4:2名 要介護5:3名 医療保険利用者1名でFIM点数の平均が70.7点から78.2点と改善していた。訪問看護・訪問リハ以外に利用しているサービスについては福祉用具の貸与・購入13名 通所サービス7名(デイサービス4名 デイケア3名) ヘルパー5名 訪問入浴2名であった。【考察】 FIMの得点が向上した症例について検討してみると、年齢や要介護度とはあまり関係が無く福祉用具貸与や購入等にて住居環境が整備され、通所サービスの利用等でベッドから離れることができる症例が多かった。よって、在宅生活を向上させるためには環境整備が重要で起居移動動作能力の獲得や外出ができるように調整することは、本人の自立度を改善する因子と考えられた。またその背景には本人の家庭的な立場が保たれ、配偶者がキーパーソンとして充分な介護が継続的に行なえていることも要因と思われるため、介護指導や介護者へのケアも重要と考えた。