理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: PP684
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地域リハビリテーション
在宅における訪問リハビリテーションの役割の検討
当診療所の現状報告を通じて
*金子 功一星野 智
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キーワード: 訪問リハ, 役割, 現状報告
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抄録
【はじめに】2000年4月に介護保険が施行され、当診療所でも本年1月より訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)を開始した。今回、現状報告を通じて在宅における訪問リハの役割について検討したので若干の考察を加え報告する。【対象と方法】対象者は、2002年1月から10月までの当診療所訪問リハ利用者34名(男性19名、女性15名、平均年齢76.7歳)である。方法は利用者の属性及び1)開始時の日常生活自立度(以下、自立度)、2)月別訪問リハ件数(新規利用者数、延べ訪問件数)、3)ケアマネージャーの訪問リハ依頼内容、4)実際に行った訪問リハ内容、5)経過・転帰を訪問リハ記録より調査した。【結果】1.疾患の内訳は脳血管障害15名、廃用症候群8名、神経・筋疾患5名、骨折3名、その他3名であった。2.開始時の自立度の内訳はJ-3名、A-10名、B-13名、C-8名であった。 3.月別訪問リハ件数は新規利用者数が月平均3.4名の割合で増加し、述べ訪問件数は10月末現在99件であった。 4.ケアマネージャーの訪問リハ依頼内容は機能訓練29件、ADL訓練19件、自主トレ指導11件、介護者への介護方法指導9件、福祉機器導入アドバイス5件、家屋評価・改造指導4件であった。(複数回答) 5.実際に行った訪問リハ内容は、機能訓練27件、ADL訓練25件、自主トレ指導19件、介護者への介護方法指導13件、福祉機器導入アドバイス7件、家屋評価・改造指導6件、その他3件であった。(複数回答) 6.経過は、寝たきり度の推移で評価し、維持19名、向上13名、低下2名であった。転帰は訪問リハ終了者(他のサービスへ移行)が9名、頻度減少者が1名存在していた。【考察】1.訪問リハ開始時ある程度の依頼数がある事は予想したが現在それをはるかに上回る状況である。訪問リハのニーズの多さと充足率の低さを痛感した。 2.訪問リハの依頼内容は多種多様である。本調査でも同様であり、PTはその専門性と共に幅広い知識や他職種との連携能力が必要である。3.在宅での訪問リハの役割は様々であるが、地域と医療・福祉・行政機関との「つなぎ役」もその一つであると演者らは考えている。単に機能訓練の継続ではなく、リハゴールの修正や他のサービスへの移行等のケアプランの見直しにも取り組む事が大切である。 4.本調査の結果より当診療所の訪問リハは何らかの効果がある事が示唆された。今後の課題としては訪問リハのイメージに訪問リハと利用者・ケアマネージャー間で差がある事、より客観的・定量的な評価方法の導入が必要な事等があげられる。訪問リハのイメージの確立と効果判定の向上に努めて行きたい。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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