抄録
【はじめに】回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期リハ病棟)は患者とその家族の退院後の生活を創造する病棟であり,入院中に退院後の生活に必要となる介護保険サービスを検討し,組み立てて行かなければならない。そこで,今回,我々は当院回復期リハ病棟を退院した患者の介護保険利用状況を調査し,若干の知見を得たのでここに報告する。【対象と方法】対象は2001年5月1日から2002年11月21日までの期間に当院回復期リハ病棟に入院し,自宅退院をした患者72名(平均年齢73.0±12.5,男女比=44:28)とした。主な疾患の内訳は脳血管障害46名,脳挫傷4名,整形外科疾患20名,外科系疾患2名であった。方法は対象者の要介護度と対象者が退院後,訪問介護,訪問看護,訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ),通所リハビリテーション(以下,通所リハ),通所介護の介護保険サービスのうち,どの介護保険サービスを利用したかを調査した。【結果】1.対象者の要介護度別の内訳要支援:2人,要介護1:16人,要介護2:9人,要介護3:14人,要介護4:12人,要介護5:1人,介護保険未申請:16人,介護保険対象外:2人であった。2.利用した介護保険サービス要支援ではサービス利用なし:1名,通所介護のみ:1名であった。要介護1ではサービス利用なし:6名,訪問介護のみ:1名,訪問看護のみ:1名,通所リハのみ:3名,通所介護のみ:4名,訪問介護・通所リハ:1名であった。要介護2ではサービス利用なし:1名,訪問介護のみ:1名,通所リハのみ2名:,通所介護のみ:1名,訪問介護・通所リハ:1名,訪問介護・訪問看護・通所介護:1名,訪問介護・訪問看護:1名,通所リハ・通所介護:1名であった。要介護3では訪問介護のみ:1名,訪問看護のみ:1名,通所リハのみ:5名,通所介護のみ:2名,訪問介護・通所介護:1名,訪問介護・訪問看護:1名,訪問介護・訪問看護・通所介護:1名,訪問看護・通所リハ:1名,訪問介護・訪問リハ・通所介護:1名であった。要介護4ではサービス利用なし:2名,通所リハのみ:1名,通所介護のみ:4名,訪問介護・通所リハ:1名,訪問介護・訪問看護:1名,訪問介護・訪問看護・通所リハ:1名,訪問介護・通所介護:1名,訪問介護・訪問リハ・通所リハ:1名であった。要介護5では訪問介護・訪問看護・通所リハ:1名であった。【考察】介護度が重度な者では,今後の在宅生活で家族の介護負担の増加や外出機会の減少が予想されるため,訪問サービスと通所サービスの両方を組み合わせたサービス調整が必要である。よって,当院の回復期リハ病棟では,患者とその家族が円滑に在宅生活へ移行できるようにできる限り早期からケアマネージャー及びサービス提供者との十分な連携をとり,サービス調整を行っていきたいと考える。