抄録
【はじめに】
近年、理学療法士、作業療法士の養成校が全国的に増加し、臨床実習病院としての役割がますます重要になっている。当院リハビリテーションセンター内では学生対応委員会を設置し、3年次、4年次の総合臨床実習、2年次の評価実習における導入期にWelcome Testと称して基礎知識、評価技術の確認を行っている。今回、その内容を紹介し、有効性について調査したので報告する。
【対象と方法】
平成13年度、当院リハビリテーションセンターにて総合臨床実習、評価実習を受けた19名と、指導者側の職員22名に対し、それぞれアンケート調査を行った。アンケートは実習生14名(74%)、職員側22名(100%)から回答が得られた
【Welcome Testの概要】
実習開始日から3日間でぺーパーテスト、実技テスト(1.関節可動域検査技術 2.徒手筋力測定技術 3.片麻痺運動機能評価技術 4.形態測定 5.反射検査法 6.感覚検査法)を臨床1年目から3年目のPT,OT職員がPTS,OTS区別無く行う。また、臨床指導はWelcome Testの結果を参考としている。
【結果】
実習生からの回答は(1)「当院のWelcome Testは有効か」の質問では 1.技術の確認が出来て良かった10名(71%)、2.知識不足を確認できた2名(14%)、3.患者の評価がし易かった2名(14%)、その他、学校 と臨床との差を実感した、などであった。(2)「その後の実習に生かされたか」の質問では 1.生かされた12名(86%)、2.分からない2名(14%)だった。(3)「卒後も生かされているか」では在学中5名を除く9名全員が生かされたと回答し、1.日常役に立っている4名、2.自信を持てた2名、3.治療者の姿勢を学べた2名、4.評価に対する意識が変った1名、のコメントを得た。指導者側からの回答では「本システムは必要」と支持している者が21名(95%)。一方で「業務の負担を感じている」との回答が6名(27%)いた。
【考察】
養成校における評価技術の演習は、理解不足と緊迫感の欠如、重要さの認識を欠いており、学生はそのまま臨床実習に望むため、そこに臨床病院としての役割がある。その際、どの様な体制で指導に当たるかが重要であり、臨床指導を一人のバイザーが負担を背負うのではなく、PT,OTの縦割組織を越えた指導体制が有効である。