理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: RP293
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教育
3年次臨床実習の積み重ね効果
過去5年間の成績の検討
*羽崎 完山本 典子藤原 俊郎大竹 朗
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抄録
【目的】本研究の目的は、当学院理学療法学科学生の過去5年間の3年次臨床実習成績を分析し,その特徴を明確にすること,そして8週間の臨床実習3期間の積み重ね効果を検討することである.【対象】対象は,実習不合格者および中途退学者を除いた過去5年間の3年次臨床実習単位修得者93名(男性36名、女性57名)とし,各人の第一期,第二期,第三期の成績について分析・検討した.【方法】分析は,当学院の臨床実習評価表に従って,理学療法士としての人間性,治療計画,知識・技術の具体的応用,前記の総合の4項目について行った.各項目の配点は,人間性30点満点,治療計画35点満点,具体的応用35点満点,そして総合100点満点(前記3項目の合計点)とした.量的な分析として,得点をもとに4つの検討項目ごとに各期の平均値を算出した.それらの平均値について,二元配置分散分析と多重比較検定を用いて実習成績の特徴を明確にし,臨床実習3期間の積み重ね効果を検討した.さらに質的な分析として,得点をもとに各検討項目ごとに優,良,可,不可の判定をつけ,第一期から第二期,第二期から第三期の判定の変動パターンを分析し,積み重ね効果を検討した.【結果】人間性においては,量的分析では第一期28.1±2.5点,第二期28.1±2.6点,第三期27.9±2.8点と各期に差がなかったが,質的分析では全体の81.7%(76名)に積み重ね効果がみられた.治療計画においては,量的分析では第一期24.0±4.3点,第二期23.3±4.3点,第三期24.8±4.4点となり,第二期と第三期の間に有意差(p<0.05)がみられ,質的分析では全体の36.6%(34名)に効果がみられた.具体的応用においては,量的分析では第一期24.8±3.9点,第二期25.3±3.9点,第三期26.2±4.1点で第一期と第三期の間に有意差(p<0.05)がみられ,質的分析では全体の35.5%(33名)に効果がみられた.総合においては,量的分析では第一期76.9±9.5点,第二期76.7±9.6点,第三期78.9±10.1点と各期に差がなかったが,質的分析では44.1%(41名)に積み重ね効果がみられた.【考察】人間性の項目でほとんど変化がみられなかったが,人間性という内容を考慮すると,今回の結果は妥当と考える.治療計画および具体的応用の項目の量的分析で統計学上有意差がみられたが,その差は1.5点ほどであり,この点数差にどのような意味があるのか疑問である.また,質的分析で全体の約65%の学生に積み重ね効果がみられなかった.この原因には様々な要素が考えられるが,実習で学習・経験したことを効果的に積み重ねるためには,学院が間に入り実習施設間の連絡を密にすること,学生自身に各期ごとに実習目標を立てさせ,実習終了時に目標到達度を検討させることなどの対策が必要と考えた.
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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