理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: SP129
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産業・労務管理
当院におけるベッドサイド端末の取り組み
*石井 健増田 芳之辻 哲也
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抄録
【はじめに】平成14年9月に開院した本院では、電子カルテシステムにて運用している。医事、会計、診療、画像、薬剤など院内すべてのシステムに対応していると同時に、患者もベッドサイド端末から、必要な情報を呼び出すことができる。患者の視点に立って利用されている現在の状況、および今後の可能性について報告する。【ベッドサイド端末について】当院のベッドサイド端末は、全病床数の96%に設置されている。壁からのアームによって液晶パネル式画面を自由な位置に固定することができ、普段はカード式テレビとして利用されているが、タッチパネル式の画面により、病院案内、入院生活、検査・治療の案内、そして血液検査の結果など、約800種類の画面にアクセスすることが可能である。リハビリテーション科の画面では理学療法、作業療法、そして言語聴覚療法の紹介があり、各療法士名およびリハビリテーションの概要を表示させることができる。また治療・検査の案内では、補助具(車椅子・杖・歩行器)の使い方、術前の呼吸訓練、リンパ浮腫の予防法などの内容についても表示することが可能であり、療法時間以外でもベッドサイドにおいて、端末から画面を参照することができるため、患者のリハビリテーションに対する啓蒙に使っている。また、各患者の端末からは暗証番号を入力することにより、電子カルテシステムに連携し、血液検査結果の内容とその個人の今後のスケジュールを表示することが可能である。この画面では1日の診察や検査などの時間とあわせて、その日のリハビリの時間も確認することが可能である。【結果】ベッドサイド端末を使用することによって、検査・治療の案内や電子カルテシステムに連携している1日スケジュールといった情報を取り出すことが可能である。患者はリハビリの内容や目的を画面で参照したり、1日の予定を事前に把握することが可能であるため、院内での過ごし方にゆとりをもつことができる。療法士にとっても、検査や診療の時間を確認しながら、療法の時間の予約を調整することが可能であるため、臨床業務の効率化が図られている。また、患者本人が自分自身の検査データを把握することにより、その日の活動量を本人が管理することができるため、実際に患者自身の訓練に対する意識付けに活かしている。【まとめ】ベッドサイド端末を利用することにより、患者が電子カルテシステムの情報を直接参照することができるようになり、そのメリットを享受することが可能になった。療法時間や内容を確認することに加えて、療法時間以外においても理学療法の意義をインフォームすることが可能であるため、今後も患者の視点に立って、このシステムを用いることにより参照できる内容の充実を図っていきたいと考えている。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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