理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 220
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理学療法基礎系
重心動揺計による重心動揺と三次元加速度計による身体動揺の関係
*柊 幸伸持田 誠時田 幸之輔佐藤 仁川上 佳代子橋本 喬史(MD)
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抄録
【目的】 静止立位時のバランス能力評価のひとつとして重心動揺検査があり、その測定機器として重心動揺計がある。重心動揺と身体動揺は同じものではないが、重心の制御機構を解明するにあたり、同時に身体動揺を観察することは意義があると考える。三次元加速度計を利用すると、静止立位時の身体動揺で発生する加速度が記録できるものと考え、その結果と重心動揺計による重心動揺の関係を考察した。
【方法】 被験者は、健常男女14名。平均年齢は21.6歳、平均身長は166.5cmであった。被験者には事前に研究目的、実験内容を説明し、実験参加の同意を得た。重心動揺計はSTABILO METER FGX-01C(第一医科株式会社)を使用し、三次元加速度計はアクティブトレーサー AC301-mkII(株式会社ジー・エム・エス)を使用した。被験者には両足を揃えて検査台の上に立ち、両上肢は体側に下垂した立位肢位をとり、視線は2m前方の壁面に付けたマーカーに合わせるよう指示した。三次元加速度計は前額中央部にベルクロテープで固定した。装着後側面より観察し、45°以上傾斜していないことを確認した。測定時間は開眼、閉眼各60秒とした。
【結果】 重心動揺計による総軌跡長、時間軌跡長と前額部に発生した加速度の関係を調べた。水平面での加速度は、開眼時、閉眼時の両方で、総軌跡長との間に相関性を認めた。水平面での加速度と外周面積では、開眼時のみ相関性を認めた。上下方向で発生する加速度と総軌跡長、外周面積との間には相関性を認めなかった。開眼時に比べ、閉眼では総軌跡長は増加したが、上下方向の加速度は減少した。また、水平面での加速度には変化がなかった。
【考察】 重心動揺計の計測結果では、すべての被験者の総軌跡長は開眼時より閉眼時の方が長くなった。しかし、三次元加速度計による水平面での加速度で見ると、閉眼時の方が増加していた被験者は半数に満たなかった。総軌跡長が長くなることは動揺の速度が速くなることを示しているが、加速度の変化は少なく、その動揺には等速運動の要素が多く含まれていることがわかった。全被験者において、左右方向の加速度増加率の平均は3.6%であったのに対し、前後方向では32.4%もの増加が認められた。閉眼により前後方向への動揺が大きく、その速度変化も激しくなることがわかった。上下方向の加速度は閉眼で増加した被験者は21.4%にとどまり、78.6%の被験者では減少した。また、その減少率も大きく、50%以下になった被験者が35.7%存在した。このことより、閉眼することによって増加する重心動揺は、主に前後方向での速度変化で調節されることが多く、逆に上下方向の速度変化による調節は減少することが分かった。重心位置の調節に関与する関節はいくつかあるが、どの関節運動を中心に使うかというストラテジーは開眼と閉眼で異なっている可能性が示唆されるものであった。
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© 2004 日本理学療法士協会
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