抄録
手指・手掌を含む手全体を使用した巧撤性を評価する検査として,内回し・外回し条件で構成されたボールローテーション課題を設定し,右利き建常成人17名でその課題の特徴を検討した.併せて使用手の特性,及び既存の手指巧撤運動検査と本課題との関連について検討した.その結果,本課題の内回し条件において,左手に比べて右手で課題成績が良好であることが明らかとなった,一方で,本課題と使用手の特性,及び既存の手指巧撤運動検査の間に関連を認めなかった.ただし既存の検査でも右手の成績が良好である点は,本課題の内回し条件と共通していた,以上のことから,本課題は,手指・手掌を用いた巧撤運動を評価できる可能性が示唆された.