理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 262
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理学療法基礎系
脳血管障害片麻痺患者における連合運動の簡易かつ定量的な評価の試み
*中山 紀子高橋 いず美山崎 彰久青山 誠
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キーワード: 連合運動, 評価法, 片麻痺
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抄録
【目的】麻痺側(患側)の過活動はしばしば連合運動(以下AM)として非麻痺側(健側)に様々な影響を与える。具体的に事例を挙げるなえら、歩行遊脚期の非麻痺側の振り出し動作の拙劣さなどである。AMの客観的評価方法して、筋電図など特殊な器具を用いる方法は紹介されてはいるが、臨床的に簡易かつ定量的な評価方法は現段階ではない。本研究の目的は、(1)3段階に負荷を漸増させる本法の各段階ごとでBr.Stage(以下BS)が反映されているか否か、(2)各BSごとに本法による負荷の漸増が反映されるか否かを調査することで、本法の有用性について検証する。
【方法】対象者は片麻痺患者62名(BS3・4・5各々 16・26・20名,平均年齢72.4±10歳)、健常者9名(平均年齢65.6±16.9歳)。全対象者にインフォームド・コンセントを行った。測定は背もたれ付の昇降Bedに端坐位となり、健側膝関節最大屈伸反復運動を、患側自然下垂位(レベル0)、患側伸展位保持(レベル1)、患側に2kgの重錘負荷を加えて膝伸展位保持(レベル2)で、ビデオカメラにて側面より各々測定した。健常群は任意側にて実施した。健側膝屈曲角度は20°から90°の範囲内の運動を30秒間の反復回数でカウントし、(1)レベルごとに各BSの反復回数を比較、(2)BSごとに各レベルの反復回数を比較した。患側膝伸展角度が-20°以下の場合は、健側の運動としてカウントしないこととする。統計処理はt検定を使用した。
【結果】レベル0に関しては、BS3→4→5→健常群の順に反復回数の増加がみられたがBS3と4(P<0.01)以外は隣接間で有意差は認められなかった。レベル1・2に関しては、BS3→4→5→健常群の順に有意に反復回数の増加が認められた(P<0.01)。各BS間での難易度別の比較は、BS3・4ではレベル0→1→2と難易度のupに伴い反復回数が有意に減少(P<0.01)することが認められた。BS5、健常群では難易度に伴う反復回数の有意な変化はみられなかった。
【考察】レベル1・2はBSの向上に伴い、反復回数の増加が有意に認められた検査であり、レベル0よりも随意性を反映する検査と考えられる。レベル1と2の結果にはさほどの差はなく、簡便性の面でレベル1の方がより優れている。各BS間での難易度upに伴う反復回数の変化より、AMの影響は有意にBS3・4で認められ、BS5以上では負荷量の増加による反復回数の増加は認められず、本法の負荷量ではAMによる影響を受けないことが確認された。
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© 2004 日本理学療法士協会
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