理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 750
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理学療法基礎系
膝関節固有感覚と重心動揺について
*昇 寛丸山 仁司斉藤 琴子高橋 直子
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キーワード: 膝関節, 固有感覚, 重心動揺
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抄録
【目的】正常歩行の獲得、転倒防止などを考慮する時、膝関節の「関節固有覚の再現」と「バランス感覚の獲得」が重要となる。
今回、我々が開発した膝関節固有感覚測定装置で健常者10名に膝関節固有感覚(閾値・位置覚)を測定した。同様に重心動揺も測定した。
本研究の目的は膝関節固有感覚と重心動揺の関係を検討することである。
【対象と方法】対象は同意得た健常者10名(全員女性、平均年齢19.5歳±0.5)。左右の下肢に対して実施。20例下肢を対象とした。
膝関節固有感覚測定装置について:本体は接線牽引型装置とした(特許出願中)。角度表示には「膝関節専用筋力訓練・測定システムCOMBIT」(ミナト医科学)を、牽引動力源として「電動リフトKQ-740V」(パラマウントベッド)を、牽引には直径2mmの鋼線ワイアーを使用。角速度確認は「光センサー型タイマー」(キーエンス)を採用した。
閾値の測定法:被検者は、外部刺激を除かれCOMBITに端坐位となり膝関節屈曲60°の位置から角速度0.1゜/sで伸展方向に引き上げられ動きを感知した時点で検者に口頭で知らせる。検者は感知までの時間を測定。
位置覚の測定法:閾値検査同様端坐位となり、膝関節屈曲90°の位置から角速度1°/sで伸展方向に引き上げられ、指定角度で5秒間静止、位置を記憶するよう指示される。その後90°に戻され、再び角速度1°/sで伸展方向に引き上げられ、記憶した地点と感知したら検者に口頭で知らせる。指定角度は85°,75°,65°。検者は誤差角度を測定。
閾値検査、関節位置覚検査とも3回試行し平均値を算出。
重心動揺の測定法:測定は、重心動揺計「Stabilo 101」(kenz)を用いた。検査姿勢は静止片脚立位とし、上肢を体側、2m前方の固定指標を注視、静止保持を指示した。測定時間は30秒間。評価指標は外周面積と総軌跡長とした。
【結果と考察】膝関節固有感覚検査では、閾値測定の感知までの時間が平均7.34秒±1.58、位置覚検査の誤差角度が平均1.94°±1.17。重心動揺検査では、外周面積が平均6.49cm2±2.64、総軌跡長が平均98.79cm±21.78。
膝関節固有感覚における閾値と位置覚の関係では相関係数r=0.88(p<0.01)。又、重心動揺における外周面積と総軌跡長の関係では相関係数r=0.72(p<0.01)となり、それぞれ同種検査内での指標は強い相関を示した。
 次に、以上4つの指標の関連を個別にみると、相関の強い順に1.位置覚と外周面積がr=0.55(p<0.05),2.閾値と外周面積がr=0.47(p<0.05),3.閾値と総軌跡長がr=0.34(p<0.05),4.位置覚と総軌跡長がr=0.32(p<0.05)であった。これらは、概ね正の相関関係にあり結果として、膝関節固有感覚に優れた場合、バランス感覚にも優れていることを示唆した。
 尚、開発した膝関節固有感覚測定装置の信頼性については、検者内信頼性係数が閾値検査でICC(1,1)=0.87,位置覚検査でICC(1,1)=0.88と高い信頼性を確認した。
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© 2004 日本理学療法士協会
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