理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 362
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神経系理学療法
脳卒中片麻痺者に対する異なる検査法による体幹機能障害の比較
*小澤 佑介奥田 裕荻野 禎子原田 慎一江連 亜弥内山 靖
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抄録
【目的】脳卒中における体幹機能や姿勢反応の検査法は、比較的容易で天井効果が出現し易いもの、基本動作の可否を測定したもの、機能障害と能力障害の混在した内容であるなどの問題点が指摘されている。また、検査の結果が重症度のみならず治療指向的に活用できる検査法が望まれている。このような中で、我々は全てのテストを端坐位で行えるパフォーマンステストによる臨床的体幹機能検査(Functional Assessment for Control of Trunk:以下FACT)を開発し、その信頼と妥当性を報告してきた。
 本研究では、異なる体幹機能検査を実施し歩行自立度との関係および天井効果から、脳卒中片麻痺者に対する体幹機能障害について検討することを目的とする。
【対象】対象は2003年のうちにA病院へ入院した脳卒中患者のうち、指示理解に障害のない44例である。脳出血14例、脳梗塞30例で、男性31例、女性13例、平均年齢60.9±13.8歳であった。また右片麻痺18例、左片麻痺24例、両側性片麻痺2例で、発症から40日~260日(中央値106日)であった。対象者には口頭で研究の主旨を説明し同意を得た。
【方法】FACT(10項目からなる20点満点の検査)、Trunk Control Test(以下TCT)、Stroke Impairment Assessment Set体幹項目(垂直性・腹筋力の合計点:以下SIAS)、Postural Reflex Mechanism TestingのOptical Righting Reactions(麻痺側・非麻痺側の合計点:以下ORR)、Functional Independence Measureの歩行自立度(以下:FIM)を計測し、相互の相関についてSpearmanの順位相関係数を用いて比較した。また、各体幹機能検査法の天井効果を比較した。
【結果】各々の体幹機能検査間には全体として有意な相関(r=0.61~0.79)が認められ、とくにFACTとTCTが高い係数であった。FIMとの相関においても全体に有意な関係(r=0.60~0.77)が認められた。FACTの各項目とTCT、SIAS、ORRの間には1項目を除き有意な相関が得られたが、高い係数を示す項目は検査法によって異なっていた。天井効果はFACT22.7%、TCT45.5%、SIAS40.9%、ORR15.9%であった。 
【考察】今回使用した各検査法は体幹機能の共通要素をある程度とらえており、歩行自立度とも密接に関連していることが示された。同時に、各検査法はそれぞれ体幹機能の一部を抽出したもので、検査としての難易度も異なっていた。そのなかで、FACTはこれまでの検査法と比較して様々な体幹機能の要素を含んだもので、脳卒中片麻痺者の体幹機能における障害特性を把握しやすい可能性が示唆された。
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© 2004 日本理学療法士協会
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