理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 459
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神経系理学療法
脳血管障害者におけるハンドヘルドダイナモメーターを用いた立位保持能力評価指標の信頼性および妥当性の検討
*岩本 浩二本間 道介杉本 寿司高橋 正知山根 日出勝福田 公孝西村 由香石橋 晃仁吉尾 雅春
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抄録
【目的】我々は四肢筋力を定量的かつ簡易に測定できるハンドヘルドダイナモメーター(以下HHDと略す)を用いた立位保持能力評価指標(Standing position maintenance capability evaluation index,以下SPCIと略す)を考案し,その信頼性を検討してきた。そして再現性と信頼性についてはおおむね証明できることを第54回北海道理学療法士学会においてすでに報告した。今回我々は脳血管障害者(以下CVA者と略す)のSPCIにおけるHHDの可能性をさぐる目的でその信頼性と妥当性について検討した。
【対象】対象は当院外来通院あるいは入院しているCVA者30名とした。内訳は男性22名,女性8名,平均年齢67.8±7.8歳,身長159±7cm,体重60.2±11.6kg,右片麻痺19名,左片麻痺11名,下肢Brunnstrom stage(以下BSTと略す)III 1名,IV 12名,V 13名,VI 4名であった。なお本研究は全ての対象に検査の趣旨等について説明と同意が得られた後実施した。
【方法】HHDはアニマ社製徒手筋力測定器μTas MT-01を用いた。測定は同一検者が行い,測定肢位は体側に下垂位とした。測定時は出来るだけ倒れないように垂直位を保持するよう指示を与えた。測定は検者が被検者の腸骨稜に側方から,上前腸骨棘に前方から,上後腸骨棘に後方から床面に対し水平にHHDを当て,徐々に力を加えた。床面から足底の一部が床から離れるところで圧迫を止め,その時の最大値を体重で除算し立位保持能力とした。各部位ごと連続して3回ずつ6部位で計18回測定(以下連続測定)後,連続にならないよう日時を変えてランダムに3回ずつ計18回測定(以下ランダム測定)を行った。信頼性の検討を行うために測定間内にて1回目と2回目の測定値の一致度を評価した。一致度の指標としては級内相関係数(以下ICCと略す)を用いた。また妥当性は全被検者においてBSTと10m歩行所要時間(秒)とSPCIとの対応をスピアマンの順位相関係数(rs)を指標に検討した。
【結果】ICCは連続測定でICC=0.974,ランダム測定でICC=0.973となり高い一致度が得られた。BSTとSPCIのスピアマンの順位相関係数は連続測定でrs=0.620,ランダム測定でrs=0.685であった。10m歩行所要時間とSPCIでは連続測定でrs=-0.611,ランダム測定でrs=-0.603となり高い逆相関が認められた。
【考察】再現性の基準を0.6とするとCVA者におけるSPCIの再現性からみた評価値の信頼性および、BST、歩行との関連からみた妥当性の検討において高い一致度と関連性が認められた。HHDを用いたSPCIの評価値の信頼性および妥当性が示唆された。
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© 2004 日本理学療法士協会
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