理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 563
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神経系理学療法
脳卒中急性期病棟からの転帰と麻痺側下肢運動機能との関係について
*緒方 孝武富 瑠香坂本 亜紀坂本 亜矢子中村 留美子長岡 絹代井手 睦
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抄録
【はじめに】在院日数の短縮が求められる今日、脳卒中患者のリハビリおいて、発症後可及的早期に予後予測を行う必要が生じている。 今回我々は脳卒中機能評価指標であるStroke Impairment Assessment Set(SIAS)のうち、下肢の麻痺側運動機能3項目(下肢近位:股・膝、下肢遠位:足)とBrunnstrom stage(以下BS)により、脳卒中急性期リハビリ後の転帰との関係を検討した。
【対象】平成15年8月~10月に当院で発症後早期から理学療法を開始し、10月までに転帰した脳卒中片麻痺患者44名を対象とした。内訳は男性24名・女性20名、平均年齢70.2±10.1歳、脳梗塞35名・脳出血9名、右片麻痺19名・左片麻痺25名であった。発症から理学療法開始までの期間は平均3.9±2.6日、理学療法施行期間は16.7±8.1日、平均入院期間は20.6±7.8日であった。
【方法】理学療法開始時・訓練室出棟初回時、理学療法開始後2週間毎と、理学療法終了時(転帰時)にSIAS(3項目の合計点)と、BSの評価を行ない転帰状況による比較を行なった。SIASの内、安静度により評価が不可能の場合は0で評価した。
【結果】
(1)当院急性期部門からの転帰状況としては、自宅退院24名(54%)・回復期病棟(以下回復期)転棟10名(23%)・療養型病棟(以下療養型)転棟4名(10%)・転院6名(13%)であった。
(2)SIASの平均は開始時では退院8.5点・回復期5.0点・療養型6.5点・転院1.1点であり退院と転院間で有意差が認められた(P<0.01)。訓練室出棟初回時では退院13.0点・回復期8.8点・療養型8.0点・転院5.0点で退院と他の転帰で有意差が認められた(P<0.01)。2Wでは、退院14.6点・回復期8.0点・療養型8.0点・転院4.4点で退院と他の転帰で有意差が認められた(P<0.01)。4Wでは回復期10.5点・転院6.5点であり有意差は認められなかった。リハ終了時では退院14.5点・回復期8.7点・療養型11.7点・転院4.1点で退院と他の転帰で有意差が認められた(P<0.01)。
(3)BSにおいては開始時に退院と他の転帰で(P<0,01)、訓練室出棟初回では退院と回復期で(P<0.01)、2Wでは退院と他の転帰で(P<0.01)、リハ終了時では退院と他の転帰で(P<0.01) 有意差が認められた。4w時では有意差は認められなかった。
【考察】今回の結果では、発症後2wの時点において、SIAS・BSのいずれのスコアにおいても自宅退院群がその他の3種の機転すべてと有意差を示した。この事より、発症より2WまでのSIASとBS2種の評価を行うことで、急性期より直接自宅退院する群を推測できる可能性があることが伺われた。
 今後症例数を増やし今回検討した以外の項目についても調査していきたい。
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© 2004 日本理学療法士協会
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