理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 215
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骨・関節系理学療法
多メモリー加速度計測装置付歩数計を用いたRA患者におけるTKA後の活動量の改善について
*倉田 典和, 山際 清貴, 薄 志美, 岩本 卓水, 古江 俊一, 岡田 尚之, 桃原 茂樹, 戸松 泰介
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キーワード: RA, TKA, 活動量
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抄録
【目的】近年、関節リウマチ(以下RA)に対して施行される人工膝関節置換術(以下TKA)は,術後成績の安定や再置換が困難でなくなった事により,歩行能力を改善しQOLを高める為,必要に応じ比較的若い患者にも行うことが推奨されつつある。しかし,術後成績について関節可動域や筋力に関する報告はあるが,日常の活動性についての研究は少ない。今回我々は,TKA施行後の活動量の変化を知る為,術前後で万歩計を装着させ,術後の歩行能力の改善について検討した。
【対象】2001年12月から2003年7月に東京女子医科大学附属青山病院にてTKAを施行し,本研究に同意を得た当センター通院中のRA患者女性40名,男性3名,43膝,年齢30~83歳(平均年齢58.7歳),罹患年数2~36年(平均罹患年数12.2年)を対象とした。
【方法】術前及び術後3ヶ月時に,約1ヶ月間多メモリー加速度計測装置付歩数計(以下ライフコーダ,スズケン社製)を装着させた。術前2回以上外来にて,自主訓練(主に大腿四頭筋等尺性収縮訓練と関節可動域訓練)の指導と確認を行った術前訓練有群31名(女性30名,男性1名)と,術後より理学療法を開始した術前訓練無群12名(女性10名,男性2名)に分け,1日平均歩数と術後の改善率を比較,検討した。また事前に,年齢,下肢障害度が歩数の改善率と相関がないことを確認した。各症例の下肢障害度は,手術膝を除く両股・対膝・両足関節のX線所見よりLarsen分類を用い点数化し,5関節の点数の合計で,正常又は軽度障害群,中等度障害群,重度障害群に分けた。判定には,術前後の比較にWilcoxonのt検定,両群間の比較にMann-WhitneyのU検定を用いた。
【結果】全症例の1日平均歩数は,術前2513.2歩に対し,術後3ヶ月時3251.1歩と有意に改善した。群別に見ると,術前訓練有群は術前2388.9歩から術後3ヶ月時3387.6歩と有意に改善を認めたが,術前訓練無群は術前2819.3歩から術後3ヶ月時2898.5歩と増加したが,有意差は認められなかった。術後3ヶ月時における術前からの歩数改善率は,術前訓練有群156.2%,術前訓練無群124.5%と術前訓練有群が術前訓練無群に対し,有意に改善した。
【考察とまとめ】今回,ライフコーダーを用い,RA患者におけるTKA施行前後の活動量を調査した。その結果,術後,歩数としての活動量は改善されることが示され,患者のQOLを向上させる1つの要因と成り得ると考えられた。更に術前から理学療法を開始することで,改善度がより高まる結果が得られた。術前訓練の経験だけが要因と言い切れないが,先行研究によれば外来診療での教育指導だけでも疼痛と筋力の改善が認められており,術前から筋力訓練だけでなく総合的な指導も含め、積極的に理学療法を行うことの必要性が示唆された。RAは全身性の炎症性疾患であり,歩数には疾患自体の活動性や患者を取り巻く住環境等が複雑に影響していると考えられる。今後それらの項目に対し検討を加え,術前後のQOLの変化に着目し,調査期間の延長を行っていきたい。
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© 2004 日本理学療法士協会
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