理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 218
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骨・関節系理学療法
大腿骨頚部骨折患者における家族介護負担感について
*太田 順子, 青木 啓成, 北川 寛之
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抄録
【目的】
当院は急性期病院であり、在院日数短縮のため様々な取り組みがなされている。その反面、早期退院を図ることにより御家族の満足度の減少、不安感・介護負担感の高まりを生じているのはないかと懸念される。そのため、本研究では早期退院が介護者の介護負担感に及ぼす影響について調査・検討した。また、大腿骨頚部骨折患者の介護者における介護負担感の特徴を捉え、その軽減に取り組むための方法も検討したい。 
【対象】平成14年10月から平成15年7月までに当院に入院し治療を行い、自宅退院した大腿骨頚部骨折患者の主介護者のうち、協力が得られた42名を対象とした。主介護者の内訳は、男性 6名、女性36名、平均年齢は61.4 ±13.1歳である。患者の内訳は、男性11名、女性32名、平均在院日数は33.0±10.6日である。
【方法】主介護者に対し、術後3ヶ月に介護負担感に関するアンケートを郵送し調査した。介護負担感については、 Zarit介護負担尺度日本語版(以下介護負担尺度)を用いた。早期退院の介護負担感への影響を調査するため、退院早期群(23名)と遅延群(20名)の2群に分けて比較・検討した。介護負担尺度は、各項目別に平均値を算出し、負担感の高い項目を検討した。
【結果】介護負担尺度は総点数平均21.2±14.3点であった。退院早期群と遅延群の2群にて比較すると、それぞれ平均17.3±12.2点、平均25.7±15.6点であり、早期群のほうが介護負担感は低い傾向にあった。各項目別において介護負担感が最も高かった項目は、患者に頼られている・患者の将来に対し不安を感じるといった項目であり、逆に最も低かった項目は、もっと上手く介護ができるはず、今以上に頑張って介護するべきだと思うといった項目であった。早期退院群と比較し、遅延群で負担感が高くなっていた項目は、自分の時間が充分にとれない、家事や仕事もこなさなければならず、ストレスを感じるといった項目であった。早期退院群と遅延群の退院時の歩行レベルは、早期退院群は歩行自立が14名(60%)、監視は9名(40%)であった。遅延群はそれぞれ7名(36%)、11名(63%)であった。
【考察】早期退院をすることが必ずしも家族の介護負担感を増悪させる因子ではなく、退院後の患者の状態把握が困難なことや、介護者自身の生活パターンの変化から一時的に介護負担感が高まることが推測された。そのような介護負担感を軽減させるためには、入院中より御家族ができるだけ患者の状況を把握できるよう家族指導を行うことや、社会的資源を有効に利用できるよう促していく必要があると考えられる。また介護負担感の高い遅延群は退院時の歩行は監視が多かった。監視は常に目が離せず、負担感は高いものであるという認識をもち、自宅環境に応じ具体的な監視の範囲や時期を明確に指導していく必要を感じた。
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© 2004 日本理学療法士協会
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