理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 249
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骨・関節系理学療法
腰椎椎間板ヘルニアに対する椎間板内加圧注射療法施行前理学療法評価からの検討
*齊藤 哲也大久保 圭子啓利 英樹松永 勇紀
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抄録
【はじめに】 椎間板内加圧注射療法(以下 注水)は腰椎椎間板ヘルニア(以下ヘルニア)の退縮を促進するminimum invasiveで有用な手技と考えられ、保存的治療の一法として施行されている。しかし、注水の有効性については明らかであるが、注水の機序について詳しいことはわかっていない。今回、我々は注水前理学療法評価から注水後の経過に影響する因子について検討した。
【対象】 注水施行前のヘルニア患者20例。男性13例、女性7例、平均年齢34.6±10.0歳であった。椎間高位はL4/5間13例、L5/S1間7例であった。ヘルニアのタイプはsubligamentus extrusion 1例、transligamentus extrusion 16例、sequestration 3例であった。横断面局在分類は中心型5例、後外側型12例、椎間孔型3例であった。
【方法】 注水前評価における疼痛部位・Tension sign・MMT・立位アライメントについて、注水後経過良好群(A群12例)と注水後手術施行群(B群8例)間において比較検討した。また、アライメントについてはX-P立位矢状面像が撮影された17例における腰椎前弯角(以下 LL)と仙骨傾斜角(以下SIA)の関係について検討した。
【結果】 片側下肢痛例はA群全12例、B群5例であった。両側下肢痛例はB群に3例認めた。SLRT30°未満はA群2例、B群3例。30°~70°の範囲はA群8例、B群2例であった。CLRT陽性はA群5例、B群5例であった。MMT3以下の進行例はA群4例、B群3例であった。立位アライメントにおいて側弯を認めた例はA群5例、B群7例であった。LL平均値はA群24.3°B群11.9°で2群間に有意差を認めた(p<0.01)。SIA平均値はA群31.1°B群28.0°であり2群間に有意差は認めなかった。アライメント調和度(LL/SIA)はA群0.78、B群0.45であり2群間に有意差を認めた(p<0.05)。また、その他の椎間にもヘルニアを認めた例はA群2例、B群6例であった。
【考察】 今回の結果より注水後の経過に影響のある因子として、疼痛部位・LL・調和度が確認できた。調和度においてA群は生理的前弯の調和度0.8の近似値となり、B群には平背が多かった。また、CLRT・側弯の有無・2椎間のヘルニアの存在などからの影響も考えられた。注水後のヘルニアは脱出型になり自然吸収には有利であるとされている。脱出したヘルニアにより脊柱管は狭窄した状態になるが、ヘルニアの自然吸収過程においても生理的前弯の必要性が示唆された。今後、注水後の理学療法に関しては経過を含めた検討が必要である。
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© 2004 日本理学療法士協会
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