抄録
【緒言】脊柱管狭窄症には頸部と腰部があるが,本症はしばしば下肢痛,痺れを伴う疾患である.腰痛においては対称療法がとりわけ重要である.手軽でしかも侵襲が少ないスパイラルテープは腰部脊柱管狭窄症にも有効と考えられるが,それについての研究は少ない.今回は,これらの疾患に対して,テーピング貼付前と貼付後の比較をVAS法とFFD変法で評価したので報告する.【目的】疼痛はVAS法(0~10cm)でSpiral Taping貼付前と貼付後の影響を評価.指床間距離(FFD変法cm)でSpiral Taping 貼付前と貼付後の影響を評価.【対象】今回,腰部脊柱管狭窄症11症例,男性4症例,女性7症例である.男性平均年齢は69.5歳,平均身長は161cm,平均体重61.25.kg,過去における治療:物療4名,なし0名,NSAID(+)4名,NSAID(-)0名,手術例0症例である.女性平均年齢は71.14歳,平均身長は154.64cm,平均体重は66.5kg,である.過去における治療:物療7名,なし0名,NSAID(+):7名,NSAID(-):0名,手術例:0,評価期間1日間であった.【方法】11症例中,男性4症例のテーピング貼付部位は第5腰椎・脊柱より1横指半,3横指にクロスBタイプを貼付.同じく女性7症例のテーピング貼付部位は第4腰椎・脊柱より1横指半,3横指にクロスBタイプを貼付.評価はVAS法とFFD変法を用いた.【結果】VAS法では男性Taping貼付前9.5cm,Taping貼付後1cm,改善:8.5cmである.FFD変法は,Taping貼付前:-7.87cm,Taping貼付後:2cm,改善:9.87cmであった.VAS法では女性 Taping貼付前10cm, Taping貼付後0.57cm,改善:9.42cmである.FFD変法は,Taping貼付前:-2.92cm,Taping貼付後:13.35cm,改善:15.42cmであった.【考察】男性のテーピング貼付部位は腰痛の好発部位とされている第5腰椎・女性のテーピング貼付部位は腰痛の好発部位とされている第4腰椎をそれぞれ選定した.神経生理学的にSpiral Taping を皮膚に貼付することは,触・圧覚であり,固有感覚受容器からの情報は,前庭器官からの情報や視覚情報とともに中枢へと伝達される.これらの情報は統合され,脊髄,脳幹部,脳(大脳皮質・基底核・小脳)の各レベルを介して筋へフィードバックされ運動のコントロールに寄与する.しかし,テープは触・圧覚(パチニー小体)だけではない何か別な信号機としての役割もしているのではないかと考えられる.これらは,今後の課題としたい.【まとめ】1)VAS法(0~10cm)でSpiral Taping 貼付前と 貼付後では男性平均8.5cm改善された.女性は平均9.42cm改善された.2)FFD変法(指床間距離cm)でSpiral Taping 貼付前と貼付後では男性平均9.87cm改善された.女性平均15.42cm改善された.