理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 337
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骨・関節系理学療法
椅坐位におけるClosed kinetic chain訓練の検討
足圧中心移動からの分析
*石嶺 友恵山本 尚司島田 隆明小磯 友葵赤木 家康
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キーワード: CKC, 足組み動作, 足圧中心
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抄録
【目的】
膝関節疾患に対する運動療法としては、Open kinetic chain及び、Closed kinetic chain (以下CKC)によるものが使い分けされている。CKCは荷重下における動きに直結しやすく、筋力強化の効果も高いといわれているが、膝関節疾患を有する患者においては運動そのものを円滑に遂行できないことがある。そこで立位での訓練の前段階として、椅坐位でのCKC訓練(脚組み位での膝関節屈伸運動)を考案し施行したところ、疼痛軽減と円滑な関節運動と歩行が得られることを経験した。今回椅坐位でのCKC訓練の特性を足圧中心(以下COP)の動態から分析し、興味ある知見が得られたので報告する。
【方法】
対象は腰部・下肢関節に既往の無い健常人8名(男性3名・女性5名、平均年齢27.3±3.3歳)である。被験者の測定肢位は股関節・膝関節90度屈曲位、裸足での端坐位とした。測定に際し、被験者より坐位での脚組みの癖を聴取し脚組み時に下になる下肢を重心動揺計(日本電気三栄株式会社製)を用い測定した。課題は片側でのleg pressにて1)対側膝関節屈伸運動有り・2)無し、脚組み位でのleg pressにて3)対側膝関節屈伸運動有り・4)無しの4課題とした。測定は4課題をランダムに施行しメトロノームのリズムに合わせ1分間の連続運動を測定した。データ分析は4課題のCOPの前後移動量、左右移動量、前後/左右の移動比率、実効値面積、総軌跡長について検討した。統計処理は一元配置分散分析と多重比較検定を行い危険率5%を有意水準とした。
【結果】
COPの左右への移動距離は脚組み位にて小さくなり、課題2と3、2と4にて有意な差が認められ(P<0.01)、前後/左右での移動距離の比率においても同様に、課題1と3、1と4、2と3、2と4にて有意な差が認められた(P<0.01)。また肢位に関係無く膝関節屈伸運動を伴うと総軌跡長の値は大きく実効値面積の値は小さくなる傾向があった。
【考察】
今回の結果から、椅坐位でのCKC訓練は下肢の肢位によってCOPが変化することが確認できた。脚を組むことで左右への動揺が減少し、前後方向へのCOPの移動比率が大きくなったことは、支持脚の左右への動揺を制御する下肢の筋活動の促通がおこっていると推測できる。また肢位に関係なく膝関節屈伸運動を伴うと総軌跡長は長くなり、実効値面積は小さくなるのは、姿勢保持のための下肢・体幹筋の促通や固有受容器への刺激が増加している可能性が考えられる。これらの影響が訓練効果につながっていると考える。
【まとめ】
椅坐位でのCKC訓練の運動特性を検証するためCOPを指標に研究を行った。足組み位をとることによりCOPの移動パターンが変化することを確認できた。今後も足組み動作の運動特性を検討していきたい。
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© 2004 日本理学療法士協会
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