理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 755
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骨・関節系理学療法
腱板断裂術後15ヶ月以上経過した患者の日常生活活動の制限因子について
結帯動作を中心に
*新保 健次入江 保雄清水 啓史黒川 正夫西村 敦
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抄録
【目的】腱板断裂術後15ヶ月以上経過した患者で制限されやすい日常生活活動が何であるかを調査し、そのうち最も制限された「結帯動作」で、どの機能障害が制限因子として関連があるかを検討すること。
【対象】当院で1998年4月~2002年3月に腱板修復術を受けた患者57例のうち2003年5月に直接検診を受けた32例である。年齢は51~73歳で男性25名、女性7名、右19肩、左13肩、術後追跡期間は15ヶ月~60ヶ月で平均33ヶ月であった。
【方法】日整会肩関節治療成績判定基準(以下JOAスコア)での日常生活動作10項目中0.5点以下のものを動作困難とし、その人数を集計した。そして動作困難を訴える患者が最も多い日常生活活動について、関節可動域、筋力、JOAスコアの疼痛で相関関係を調べた。関節可動域は自動運動での屈曲、伸展、外転、上肢下垂位外旋(以下1st外旋)、90°外転位での内旋、外旋(以下2nd内旋、2nd外旋)、水平内転角度をゴニオメータで、内旋は母指先端と最上端の脊椎レベルで表記した。筋力はCybex6000で1st外旋、1st内旋筋力を角速度60(degree/sec)、180(degree/sec)、240(degree/sec)で測定した。相関関係はスピアマンの相関係数検定により検定し、有意水準は5%未満とした。
【結果】32例中、動作困難を訴える頻度の高い動作は順に「結帯動作」が14名(44%)、「患側を下に寝る」が8名(25%)「頭上の棚の物に手が届く」が7名(22%)「結髪動作」、「反対側の腋窩に手が届く」、「用便の始末ができる」、「上着を着る」が6名(19%)「上着のサイドポケットのものを取る」、「引戸の開閉ができる」が5名(16%)「口に手が届く」が1名(3%)であった。動作困難を最も多く訴える動作は「結帯動作」であった。「結帯動作」で相関関係が得られた要素は、伸展可動域49.84±9.46°(p<0.01)、外旋筋力60(degree/sec)24.38±9.31Nm(p<0.05)、外旋筋力180(degree/sec)19.00±7.85Nm(p<0.05) 、外旋筋力240(degree/sec)16.38±8.54Nm(p<0.05)、内旋筋力180(degree/sec)36.88±14.38Nm(p<0.005)、内旋筋力240(degree/sec)31.44±14.94Nm(p<0.001)、疼痛スコア(p<0.005)であった。
【まとめ】当院での腱板断裂術後患者で最も制限されやすい日常生活活動は「結帯動作」であった。「結帯動作」には伸展可動域のほかに外旋、内旋筋力で相関が得られた。
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© 2004 日本理学療法士協会
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