理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 810
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骨・関節系理学療法
患者状態追従型パス「クリッパくん」の紹介と当院における使用状況
*北見 知子斉藤 秀之金森 毅繁高尾 敏文田中 利和小関 迪
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抄録
I.はじめに
理学療法士にとってクリティカル・パス(以下,パス)を使用することは治療の流れを自分の目で確認することができるだけでなく,医療チーム内での他職種との連携に役立ち,また患者への具体的な治療計画の説明を容易にするといった効果がある.
今回,当院整形外科グループによって作成された標準化と個別性を同時に取り入れたパス「クリッパくん」の紹介とリハビリテーション(以下,リハ)部におけるその使用状況,従来の紙面型パスとの比較検討をするためアンケートを実施したので報告する.
II. 「クリッパくん」の紹介
パス本来の目的である標準化に個別性を取り入れたパスを作成するため当院整形外科グループが,160通りの治療経過の中から個別性に対応してパスを選択できるコンピューター上で動くパスである.「クリッパくん」は作業内容など5項目の条件設定を行う「マスタ管理」と,実際に運用する「パス」の2つから構成されている.
III. アンケート調査
1.対象と方法:対象は当院リハ常勤療法士37名である.アンケートは2002年11月より2003年9月までの「クリッパくん」の使用に対して,従来の紙面パスと比較した利便性についての質問紙記入法とした.質問内容は,(1)「クリッパくん」を知っているか?(2)「クリッパくん」を使用したことがあるか?(3)「クリッパくん」と従来の紙面パスを比較しての利点・欠点(自由記載)である.
2.アンケート結果:(1)では, 8割以上の認知度であったが,PT・OTが9割以上を占めていた.(2)では,4割以下の利用度であり,その内訳はPT11人,OT2名,ST0名であった.(3)では,記入者が14名(38%)と少なかった.利点には,「他職種との情報交換が容易」(3件),「治療計画,問題点,目的が整理しやすい」(3件)が多く、欠点には,「パソコンの台数が不足しているため不便」(6件),「ソフト面での不足(バリアンス発生時の修正困難,チェック項目をクリアしないと次の項目へ進めない)」(6件),「試行段階のための問題(カルテ記入との二度手間,ページの更新を誰が行うのか不明)」(6件),「主治医の指示とパスの内容に相違がある」(5件)が多かった.
IV.考察
 「クリッパくん」の認知度は8割以上であるが,利用度は4割以下であり,PTの利用に偏っていた.これは,「クリッパくん」が整形外科股関節周囲疾患のみの使用となっていることなどが要因と思われる.また,利点・欠点の結果から,「ソフトの改善」,「ハードの追加」,「他職種との連携の徹底」,「業務システムの改善」の4点の改善項目が浮き彫りとなった.
今後は「クリッパくん」を整形外科だけでなく,他科でも利用できるようにすることや,標準化と個別性という相反した特徴が組み込まれた個々人に対応したパスが作成できるよう,医師,看護,リハ,その他各職種との話し合いを積極的に行うことが重要である.
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© 2004 日本理学療法士協会
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