理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 920
会議情報

骨・関節系理学療法
ベッドの種類が背臥位等尺性膝関節伸展筋力測定に与える影響
*奥 壽郎高田 治実与那嶺 司坂本 雄甲斐 みどり小山 理恵子西嶋 智子内藤 郁奈畑山 聡
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【はじめに】:当院では臥床期の下肢筋力評価および訓練に、OG社製マスキュレーターGT-50を利用している。こうした中で我々の経験では、若年者においてベッドの種類によって測定値が異なることがあり、信頼性が問題になっている。虚弱高齢者ではこういった問題はみられない。
【目的】:本器を用いた際の、ベッドの種類が背臥位等尺性膝関節伸展筋力に与える影響を検証し、若干の知見を得たので報告する。
【対象】:膝関節に既往のない健常成人20名(男性6名・女性14名、平均年齢26±5.5歳、平均身長164.1±7.9cm、平均体重56.8±6.6kg、平均BMI21.3±1.7)の40膝(以下、若年群)、入院中の運動器疾患のない虚弱高齢患者12名(男性3名・女性9名、平均年齢78.9±11.1歳、平均身長154.5±11.3cm、平均体重41.5±7.7kg、平均BMI17.6±3.6)の24膝(以下、高齢群)を対象とした。  
【方法】:等尺性膝関節伸展筋力の測定は、OG社製マスキュレーターGT-50を用い、ベッド上背臥位で検査側膝関節の下にマクラを置き、屈曲60°になるように設定した。センサーパッドは下腿遠位部に当て、そこにタオルを敷き痛みを回避するよう図った。この肢位で等尺性膝関節伸展筋筋力を5秒間測定した。この検査を若年群および高齢群、それぞれ介護用ベッドと訓練用ベッドの2種類で測定した。左右それぞれ30秒間の間隔をあけ2回測定し、値の大きい方を採用した。これらの結果から、それぞれの群で、2種類のベッドで筋力値に違いがあるのかを検討した。統計学的処理には級内相関係数と対応のあるt-検定を用い、5%を有意水準とした。なお、対象者には本研究の目的と内容を説明し同意を得た上で実施した。
【結果】:若年群の筋力値の平均は、訓練用ベッド47.9±9.3kg、介護用ベッド40.1±5.2kgで有意差を認めた。級内相関係数は0.523であった。高齢群では、訓練用ベッド8.3±1.2kg、介護用ベッド8.6±0.8kgで差は認めず、級内相関係数は0.963であった。
【考察】:ベッドの種類が背臥位等尺性膝関節伸展筋力に与える影響を、若年群・高齢群それぞれで検討した。その結果、高齢群ではベッドの種類による影響はなかった。一方、若年群では介護用ベッドの方が訓練用ベッドより低い値を示した。この要因としてマットの硬さの違いが考えられた。介護用ベッドは訓練用ベッドよりマットが柔らかく、若年群の筋力レベルでは身体全体がマットに沈み込み固定しきれずに、訓練用ベッドより低値になったものと考えられた。
【まとめ】:ベッドの種類が背臥位等尺性膝関節伸展筋力に与える影響は、高齢群ではなく若年群では介護用ベッドの方が訓練用ベッドより低い値を示した。臨床応用する際にはこれらの点を把握することが重要であると考えられた。
著者関連情報
© 2004 日本理学療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top