理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 942
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骨・関節系理学療法
速度依存性トレッドミル訓練が歩行機能に及ぼす影響
人工膝関節置換術(TKA)後の症例に対する検討
*山崎 岳之上出 直人宮城 しほ前田 真治
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抄録
【目的】トレッドミル訓練が脳卒中片麻痺患者の歩行機能を改善させることは報告されている。しかしトレッドミル訓練が整形外科疾患患者の歩行機能に及ぼす影響を検討した報告は見当たらない。そこで、人工膝関節置換術後(TKA)の患者に対する速度依存性トレッドミル訓練が歩行機能に及ぼす影響について検討することを目的とした。
【対象】K大学H病院にてTKAを施行され、理学療法を実施した4症例を対象とした。
症例の年齢は50_~_82歳で、全例が女性。術前のADLとしては、屋内T字杖自立レベルまたは屋外T字杖自立レベルであった。介入に関しては、13~23日目より開始した。
【方法】(A):トレッドミルによる歩行訓練(Tre)と(B): 通常の理学療法(PT)を5回ずつ交代で実施する、ABデザインによる症例検討を行った。PTでは、ROM訓練や筋力トレーニング、ADL訓練、訓練室内での杖歩行訓練を行った。Treでは原則としてROM訓練や筋力トレーニング、ADL訓練を行い、歩行訓練としてトレッドミル訓練を実施した。トレッドミル訓練の1回の訓練時間は3分間とし、速度は個々の症例が耐えうる最大の速度に設定した。なお速度は訓練ごとに毎回漸増的に増加させた。また安全のため訓練中は理学療法士が近位にて監視するとともに、トレッドミル訓練の前後で血圧を測定し、さらに訓練中は脈拍を経時的に確認した。歩行機能の評価には、PTおよびTre期間の前後に10mの最大努力歩行の時間をストップウォッチを用いて3回測定した。またトレッドミル訓練の即時効果を検討するため、トレッドミル訓練の直前と直後にも最大努力歩行時間の測定を行った。さらに訓練の持続効果を検討するため、介入から10~53日後の最大努力歩行時間の測定も行った。解析には測定値のうち最大値を採用し、速度、歩幅、歩行率を算出した。
【結果】全症例とも、PT期間よりもTre期間における歩行速度の改善率が高かった。歩幅と歩行率に関しては一定の見解は得られなかった。またトレッドミル訓練の即時効果としては、歩行速度、歩幅、歩行率の全てに認められた。さらに持続効果では、時間の経過にともない、機能が低下する傾向が認められた。
【考察】術後の整形疾患に対する速度依存性のトレッドミル訓練は、訓練室内で行う歩行訓練よりも効果的に歩行機能、特に歩行速度を向上させることが認められた。すなわち歩行速度を改善する課題指向型の訓練であり、早期に安定した歩行状態の獲得が期待できる可能性が示唆された。またトレッドミル訓練では即時効果は認められたが、持続効果は期待できない可能性が示唆された。故に歩行状態を維持するためには更なる訓練プログラムの検討が必要であると考えられた。
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© 2004 日本理学療法士協会
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