理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 994
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骨・関節系理学療法
外来RA患者に対する下肢機能障害のみかた
*阿部 敏彦宮内 博雄
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抄録
【はじめに】関節リウマチ(RA)患者の身体機能障害はその臨床経過に伴い多岐に渡り、その広さと深さにより理学療法評価の選択に苦慮するあまり患者一人一人の身体障害経過を追従し得ない場合がある。われわれは、外来RA患者に対して理学療法を施行する上で、私案のスクリーニングテスト(関節可動域、リーチ動作、ADL、歩行速度)、RAの活動性、関節機能テストを基本的評価として位置づけている。今回、過去10年間当院外来RA患者でリハ科を受診した1121名の初診時の関節痛の訴えと歩行障害について調査をしたので報告する。
【対象と方法】対象は、平成5年4月から平成15年4月の10年間における当院外来RA患者でリハ科を受診した1121名とした。方法は、リハ科初診時のカルテより患者の主訴(痛みの有無と部位)、膝伸展筋力(伸展lag)、歩行分類を抜粋した。膝伸展筋力は3群(伸展1agO度、5度、1O度以上)に分類し、また歩行分類は10m歩行速度により3群(普通:9秒未満、横断歩道利用可:9から12秒未満、横断歩道利用不可:12秒以上)とした。対象とした全症例1121名中15%は、関節形成術(人工関節)予定患者である。
【結果】患者の主訴として関節の痛み以外の訴えのある症例は87名(8%)で、上肢の痛み328名(29%)、下肢の痛み227名(20%)、四肢の痛み479名(43%)をしめた。痛み(-)症例(87名)における歩行速度分類の内訳は、普通14%、横断歩道不可39%、上肢の痛み(+)症例(328名)では、普通17%、横断歩道不可33%であった。また痛み(-)症例における膝伸展筋力では、伸展lag0度62%、5度20%、10度以上18%、上肢の痛み(+)症例では、伸展1ag0度70%、5度13%、10度以上17%であった。関節の痛みのない患者と上肢の痛みを訴える患者は全体の約40%をしめ、そのうち約15%しか普通の速さで歩行ができず、何とか横断歩道が渡れる者約50%、横断歩道が渡れない者約35%をしめていた。また歩行に最も必要な膝関節伸展筋力の低下は約35%をしめていた。
【考察】RA患者の関節機能障害の特徴は、上肢においてはひとつの関節の可動域制限からリーチ動作障害へ下肢では一方向の関節を動かす筋力低下から歩行障害へと患者自身知らない程度のゆっくりとしたスピードで生じる場合や激痛とともに急速に起こる場合と様々である。初めは可逆的な変化からそして次第に非可逆的な変化つまりは変形となり時として手術的手段も施せないことも生じる。
 今回リハ初診時における患者自身気づいていない下肢機能障害(膝伸展筋力や歩行速度低下)は約4割認められた。初診時から主訴(痛みの有無と部位)に関わらず、スクリーニングテスト(私案)により下肢筋力増強訓練指導及び経時的な膝筋力、歩行速度の計測を行い患者自身に自らの下肢機能がどうであるか認識してもらうことがtotal managementにおいて重要であることが示唆された。
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© 2004 日本理学療法士協会
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