理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1035
会議情報

骨・関節系理学療法
褥瘡対策チームにおける理学療法士の関わり
*山下 堅志, 綾田 裕子, 岡田 奈津子, 平瀬 加世子, 松下 哲也, 高橋 弘枝, 和田 千穂子, 高野 久美子, 橋口 充, 中辻 美和子
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抄録
【はじめに】診療報酬の改定により、褥瘡対策の評価が組み込まれたことにより、褥瘡対策におけるチームアプローチの重要性が高まっている。この中で、当院においても2002年6月より褥瘡対策チームが構成され、理学療法士もチームの一員として活動を行ってきた。今回、短期間ではあるが当院での褥瘡対策に対する理学療法の関わりについて、報告する。
【当院の褥瘡対策チーム】当院の褥瘡対策チーム構成は、医師4名と専任看護師1名に病棟代表としての看護師長ならびに看護婦3名と保健師、薬剤師、栄養士、理学療法士、事務職員の計14名からなる。チームの役割として、褥瘡発生患者の把握と、病棟での褥瘡ケア内容の把握と指導、さらに、体圧分散用具の管理、指導と褥瘡対策マニュアルを各病棟に配布を行なうことで、褥瘡の予防及び褥瘡の早期治癒に向けた治療の統一化を図っている。この中で、理学療法士は褥瘡診療計画書に基き、リハビリテーションが必要とされる患者に対し、離床の促進や動作指導を患者、家族、病棟などに対して現在行なっている。
【褥瘡対策における理学療法】2002年6月から2003年10月まで褥瘡対策診療計画書において、リハビリテーションが必要とされた患者数は942例であり、褥瘡対策診療計画書作成者における全症例の54%であった。また、この中で、褥瘡を有する症例は66例であり、褥瘡部位については、仙骨部43例、尾骨部12例、坐骨部6例、大転子部4例、その他1例であった。褥瘡の深さとしては、1度が37例、2度が22例、3度が5例、4度が2例であった。このうち、周術期や急性期などでの褥瘡発症例は36例であり、そのほとんどが、褥瘡の深さは1度もしくは2度程度であり、離床が進むに従い全例症状が軽快している。しかし、全身状態の低下やターミナルなどで離床が進まなかった症例7名については、褥瘡の改善を認めた症例もあるが、完治までには至らない症例が多かった。
【考察】これまで、当院では褥瘡治療に対して理学療法士が積極的に関わる機会は多くなかったが、褥瘡対策チームの発足により褥瘡治療との関わり合いが多くなった。これは、周術期や急性期などでの褥瘡発症例に対して、理学療法施行時における体動時のずれや摩擦などを特に留意し、安静臥床後の離床を促すことで、褥瘡の深さが1度や2度の軽度である褥瘡発症例に対して十分な除圧が為されたためであると考える。しかし、褥瘡治療には褥瘡の創部状況の把握や栄養状態などを熟知しなければならず、そのため、理学療法単独ではなく他職種との連携を行うため、チームアプローチを今後より強固に行う必要がある。また、今後の課題として、理学療法士がどの程度褥瘡予防が行え、かつ、治療に貢献できるかを検討したいと考える。
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© 2004 日本理学療法士協会
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