理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 349
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内部障害系理学療法
生活習慣病患者の脈派伝播速度と大動脈の伸展性の関連について
*小倉 彩, 増田 卓, 松永 篤彦, 齊藤 正和, 神谷 健太郎, 坂本 純子, 米澤 隆介, 小倉 太一, 永尾 久美子, 小松 志穂, 前田 智美
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抄録
【背景】
大動脈における血管弾性の低下は、脈圧の増大を通して血管壁の機械的ストレスを亢進させることで血管内皮障害を惹起し、動脈硬化を促進させると考えられている。生活習慣病患者において運動負荷前後の脈派伝播速度(PWV)の変化によって運動負荷に対する大動脈伸展性を評価すると、より鋭敏に血管内皮障害の程度を把握できる可能性を報告したが、生活習慣病に起因する動脈硬化と運動負荷に対する大動脈伸展性の関連は明らかではない。
【目的】
生活習慣病患者を対象に、安静時PWVおよび運動負荷に対する大動脈伸展性を評価し、動脈硬化の危険因子と対比することによって、動脈硬化の進行を反映する予測因子を明らかにする。
【対象】
生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病)患者63例(平均年齢61.9±9.6歳、男性44例、女性19例)。
【方法】
安静時PWVによって対象を高値群、低値群に分類した。さらに自転車エルゴメータによる13分間の運動負荷後にPWVが低下した大動脈伸展性陽性群と不変あるいは上昇した陰性群とに分類し、前後の差を?PWVとして算出した。運動強度は運動負荷試験より得られた最高心拍数の75%とし、医師の立会いの下、心拍数、不整脈の有無、血圧、自覚症状、自覚的運動強度を確認しながら行った。随時血圧・心拍数、BMI、血清脂質、ヘモグロビンA1c、脳性ナトリウム利尿ペプチド、高感度C-反応性蛋白、エイコタペンタ塩酸/アラキドン酸比、血管内皮機能指標、頸動脈内膜中膜肥厚、心臓超音波検査を診療録より調査し、PWVとの関連を検討した。
【結果】
対象者全体では安静時PWV(1614±294cm/s)は収縮期血圧、拡張期血圧、左室後壁厚と正の相関が認められた(r=0.40、r=0.43、r=0.38、P<0.05)。大動脈伸展性陽性群34例、陰性群29例であった。?PWVと安静時PWVにおいて、陽性群では負の相関を(r=-0.44、P<0.05)、陰性群では正の相関を認めた(r=0.54、P<0.01)。安静時PWV低値群は31例(1382±125cm/s)で、大動脈伸展性陽性群17例、陰性群14例であった。高値群は32例(1839±229cm/s)で陽性群17例、陰性群15例であった。年齢は低値:陰性群に比して高値:陽性群、高値:陰性群が有意に高かった(58±6、64±6、65±6歳、P<0.05)。血圧は低値:陽性群に比して高値:陽性群、高値:陰性群が有意に高かった(123±14、138±16、137±14mmHg、P<0.05)。左室後壁厚は低値群に比して高値群で有意に大きかった(9±1、10±16mm、P<0.05)。
【結語】
運動負荷に対する大動脈伸展性と安静時PWVをあわせて評価することで、動脈硬化の重症度をより正確に把握できる可能性が示され、心血管病変の進行を予測する指標になり得ると思われた。
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© 2004 日本理学療法士協会
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