理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 33
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理学療法基礎系
間欠的荷重およびclenbuterol投与がラットヒラメ筋の廃用性萎縮に及ぼす影響
*山崎 俊明立野 勝彦
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抄録
【はじめに】長期臥床や術後免荷などでみられる廃用性筋萎縮の進行抑制は、理学療法分野における重要な課題のひとつである。臨床では対照研究が倫理上難しいことから、我々は廃用性筋萎縮の効果的予防法を動物実験にて各種条件下で検索してきた。その結果、間欠的荷重(intermittent weight bearing: IWB)により萎縮の進行抑制が可能であった。しかし、間欠的荷重のみで萎縮を完全に予防することは困難なことから、昨年の本学術大会では、筋肥大効果が報告されているタンパク同化剤clenbuterol(Cb)を導入し、荷重との併用による萎縮抑制効果を、筋形態および収縮機能面から報告した。本研究では対象数を倍増し、筋タンパク量および水分量を検討項目に加え、廃用性筋萎縮に及ぼす荷重およびCb投与の影響を検索した。
【方法】8週齢のWistar系雄ラット79匹を使用し、ヒラメ筋を被験筋とした。廃用性筋萎縮は、装具を使用した後肢懸垂法により作製した。ラットを以下の6群:1. 通常飼育(Con)、2. 通常飼育+Cb投与(Con+Cb)、3. 後肢懸垂(HS)、4. 後肢懸垂+間欠的荷重(HS+IWB)、5. 後肢懸垂+Cb投与(HS+Cb)、6. 後肢懸垂+荷重+Cb投与(HS+IWB+Cb)に分けた。実験期間は2週間とし、荷重は毎日(1時間/日)実施した。Cbは皮下注射(1mg/kg/day)とし、Cb投与を実施しない群には生理食塩液を同条件で投与した。なお、本研究計画は本学動物実験委員会において承認された(承認番号031668号)。分析項目は、筋湿重量、筋長、筋周径、筋線維断面積、水分量、収縮張力、筋総タンパク量および筋原線維タンパク量とした。
【結果】筋湿重量、筋線維断面積および収縮張力は、先行研究とほぼ同様な結果を示した。筋長は懸垂処置群で短縮傾向を認め荷重が効果的であった。筋周径はCb投与群が大きい傾向を示した。筋長・周径ともに、HS群よりHS+IWB群が有意に大きかった。水分量は、HS群が他群より有意に少なく、荷重and/or Cb投与による介入効果を認めた。筋原線維タンパク量の平均値は、Con+CB>Con>HS+IWB+CB>HS+CB>HS+IWB>HS群の順で大きく、Con+CbとCon群間およびHS+IWB+CbとHS+Cb群間を除き、有意差を認めた。
【考察】Cb投与は、筋周径および筋原線維タンパク量に効果を示したが、筋長および筋張力に関しては、荷重が効果的と考えられた。結論として、1)Cb投与は形態面(断面積、周径)およびタンパク量には効果を示すが、機能面(張力)の効果を伴わないこと、2)理学療法手段としての間欠的荷重が機能面で有用であること、3)間欠的荷重は、Cb投与との併用により高い萎縮抑制効果を期待できることが示唆された。
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© 2005 日本理学療法士協会
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