理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 485
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理学療法基礎系
健常者の膝関節伸展に対する抵抗構成運動の効果
*石田 弘, 渡邉 進
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抄録
【目的】関節運動学的アプローチである抵抗構成運動は関節面の滑りを誘導するとされ、変形性膝関節症患者などに有用とされている。本研究では若年健常者の膝関節伸展に対し抵抗構成運動を行い、運動前後における筋電図と筋力を計測し効果の検討を行った。
【方法】対象は健常な男性2名、女性6名、平均年齢27.8±4.4歳の両下肢とした。内側広筋、外側広筋、大腿直筋の筋活動測定にはNORAXON社製筋電計を用いた。等尺性膝関節伸展筋力の測定にはOG技研社製のGT20を用いた。テスト肢位は機器のシート上座位で、両手は体側のアームを把持、大腿部、骨盤部をベルトで固定し膝関節屈曲90°にて脛骨前面の内果上方約5cmに圧センサーを固定した。テストは自分の好きなタイミングで素早く強い膝伸展を行うように指示し、数回の練習を行った後、3秒間の最大随意収縮を行った。運動である抵抗構成運動とコントロール運動は左右下肢へ無作為に振り分けた。抵抗構成運動は上記肢位にて圧センサーを下腿近位部に固定し、コントロール運動は圧センサーを脛骨遠位部に固定して行った。どちらもモニターに表示される力2kgを目安に10秒間の膝関節伸展を10秒間の休憩を挟み20回行った。測定は、テスト、3分間の休憩、運動、再テストという流れで、右下肢、左下肢の順に行った。パラメータは筋電図が生じて力が発生するまでの電気力学的遅延、ピークフォース、力発生から運動前ピークフォースの30%に達するまでの力立ち上がり時間、運動前ピークフォースの30%を力立ち上がり時間で割った力発生率、力立ち上がり時間内の筋電図積分値を求めた。各パラメータを抵抗構成運動肢とコントロール運動肢の運動前で比較し、その後それぞれの運動前後で比較を行った。統計にはt検定を用い、有意水準を5%とした。
【結果】運動前の抵抗構成運動肢とコントロール運動肢に有意差はなかった。抵抗構成運動前後では、ピークフォースが293.5±108Nから317.7±128.4Nと有意な増加があり、内側広筋の積分値には17.1±14.6μVから14.3±11.9μVと有意な減少があった。その他のパラメータに有意差はなかった。コントロール運動前後では、どのパラメータにも有意差はなかった。
【考察】抵抗構成運動により副運動が促通され、大腿四頭筋の筋活動が効率よく下腿の動きを引き出す状態になったと考える。その結果、ピークフォースが増加するとともに、内側広筋の筋活動が少なくても同一の力を発生させることが可能な状態となった。しかし、等尺性筋力と力発生率に強い相関があることが対馬らによって報告されているが、本研究では、力発生率に有意差はなかった。今後、対象者を増やして再検討するとともに、変形性膝関節症患者に対し抵抗構成運動を行うことで変化するパラメータを明らかにしていく必要がある。
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© 2005 日本理学療法士協会
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