理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 518
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理学療法基礎系
結果の知識の細かさが部分荷重課題のパフォーマンスに与える影響
*渡邉 観世子谷 浩明
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抄録
【はじめに】フィードバックの与え方は運動学習に大きく影響すると言われている。本研究では、骨折後や片麻痺等で一側への荷重を促す目的で行われている部分荷重課題を用いて、フィードバックのひとつである結果の知識(以下、KR)の細かさの違いが運動学習に及ぼす影響について検討した。
【方法】運動課題は右片脚立位姿勢から、左下肢に体重の1/3をかけることとした。被験者は健常成人18名(男性10名、女性8名、平均年齢25.0±3.0歳)で、実験前に文書と口頭にて実験の内容を説明し、同意を得た。被験者をKRの細かさの違いにより、目標値からのずれをkg単位で伝える詳細群(P群)と±5段階の設定で伝える粗大群(G群)の2群に分けた。開始姿勢は平行棒内の荷重検出器(共和電業特注)上での右片脚立位とした。被験者は音声による指示で課題を開始した。左下肢の荷重検出器からの信号は、ストレインアンプ(共和電業)で増幅後、A/D変換器を介してコンピュータに取り込んだ。その値をもとにKRを口頭にて呈示した。実験スケジュールは練習前試行(3試行)と練習相(15試行)、5分後と24時間後の想起相(各3試行)で構成され、練習相においては3試行毎にKRを呈示した。パフォーマンスの良否は、3試行を1ブロックとし、ブロック毎の正規化された絶対誤差(AE:Absolute error、以下、AE)で評価した。解析は、実験条件とブロックを要因とする二元配置の分散分析を用いて練習相、想起相のそれぞれについて行った。
【結果】練習前試行では、群間のAEに差はなかった。練習相のAEは、P群が51.3%から17.2%、G群が44.4%から13.1%と減少しており、ブロック間で有意な主効果が認められた(F4,64=9.55 p<0.001)が、群間の有意差は認められなかった。想起相では群間、ブロック間共に有意差は認められなかった。
【考察】ブロック間では練習相において有意な主効果が認められ、群間では練習相、想起相共に有意差が認められなかったことより、本研究で設定したKRの細かさの違いでは部分荷重課題の学習効果に影響がないと考えられる。これは、臨床場面で荷重量を覚える際に、必ずしもkg単位での細かいKRが必要ではないことを示唆している。しかし、実験後のアンケートの結果からは、課題の難易度の感じ方は若干、群間で差があり、パフォーマンスの良否と必ずしも一致しない傾向も見られ、KRの細かさの程度と併せ、今後検討の余地があると思われる。
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© 2005 日本理学療法士協会
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