理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1026
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理学療法基礎系
歩行時の骨盤回旋に影響する因子について
―上半身と下肢帯の比較―
*大平 功路田中 和哉角田 信夫山村 俊一亀ヶ谷 忠彦府川 哲也中川 紀一入谷 誠
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抄録
【目的】第23回関東甲信越ブロック理学療法士学会において、歩行時の骨盤回旋の角度と立位での骨盤回旋運動の角度には大きな関係がないことを報告した。最近の報告では、歩行に影響を与える因子として上半身の影響があると報告されている。そこで今回、入谷が考案した上部体幹の可動性を評価する自動体幹回旋テストを用い、自動体幹回旋テストと下肢の回旋運動を評価する立位骨盤回旋運動を測定し、歩行時の骨盤回旋との関係を比較・検討した。
【対象・方法】対象は健常成人15名(男性8名、女性7名)、年齢25.5±3.6歳である。1)歩行時の骨盤回旋2)自動体幹回旋テスト3)立位骨盤回旋運動の3項目を測定した。歩行は任意の歩行路を歩き、左右立脚期における骨盤の最大後方回旋角度を測定した。自動体幹回旋テストは立位において骨盤を固定した状態で上半身を後方に回旋するものであり、回旋角度は肩甲帯の最大後方回旋角度から骨盤回旋角度を減じたものとして測定した。立位骨盤回旋運動は後方回旋側の足部の内側が床より浮かない状態で骨盤回旋を行い、骨盤の最大後方回旋角度を測定した。また、骨盤回旋角度は左右ASISを結ぶ線が前額面となす角として、肩甲帯の回旋角度は左右肩峰を結ぶ線が前額面となす角として測定した。なお、測定機器は3次元動作解析システムVICON370(Oxford Metrics社)により測定した。分析は、各々において左右差をとり、歩行と自動体幹回旋テスト、歩行と立位骨盤回旋運動の関係を調べた。統計処理は、Spearman順位相関を用い、有意水準5%とした。
【結果】歩行と自動体幹回旋テストとの関係では、歩行で骨盤の後方回旋が大きい側と自動体幹回旋テストで可動性が大きい側が逆方向になる者が15名中14名であった。歩行と立位骨盤回旋運動との関係では、歩行で骨盤の後方回旋が大きい側と立位骨盤回旋運動で後方回旋が大きい側が同方向になる者が15名中9名であった。左右差については歩行時の骨盤回旋では3.8±2.0°、自動体幹回旋テストでは7.2±4.5°、立位骨盤回旋運動では、7.4±5.7°となった。また、歩行と自動体幹回旋テストでは有意な相関が認められ(r=-0.639、p<0.05)、歩行と立位骨盤回旋運動では有意な相関は認められなかった。
【考察】結果より、歩行時の骨盤回旋に影響する因子として立位における上部体幹の回旋の可動性が下肢の回旋運動より影響が大きいことが示唆され、立位での上部体幹の可動性が大きい側と歩行時の骨盤回旋は逆方向になる傾向があった。歩行に関して、歩行時には骨盤の回旋に先行して肩甲帯の回旋が起こるという報告や、上半身質量中心点の速度及び加速度は踵接地時に方向が変わるという報告がある。これらの報告と今回の結果より、静的な評価である自動体幹回旋テストは動的な歩行を予測でき、臨床的に有用な一手段と考える。
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© 2005 日本理学療法士協会
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