理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1075
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理学療法基礎系
脳血管障害患者の足型測定
―フットグラファーの臨床応用について―
*小岩 慎也富崎 崇酒向 俊治松永 勝也塚本 裕二山崎 伸一平川 和生日高 滋紀木下 信博小野 直洋
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抄録
【はじめに】通常、足型の測定では、スポーツ障害や整形疾患患者を中心にフットプリントが用いられることが多い。今回我々は、新しく開発されたフットグラファーを用いて脳血管障害(以下:CVA)患者の足型測定を行った。CVA患者における麻痺側と非麻痺側の足型の相違及び臨床的特徴について比較し、フットグラファーの臨床応用について検討したので報告する。
【対象と方法】CVAにより片麻痺を呈した18名(男性11名、女性7名)、平均年齢68.8±10.5歳。測定機器は、株式会社アサヒコーポレーション社製Foot Grapher(Ver1.0)を用いた。被験者は、測定台の上に立ち、正面を向き、上肢を体側に下ろし、静止立位にて足底画像を撮影する。撮影後、パソコン上で、画像の踵中心部と第二趾中心部の2点を確定することにより、足長、足幅、推定足囲、踵幅、足接地率、不踏幅(踵中心部から第二趾までの長さの内、踵部から55%の位置から土踏まずの内側に向けて引いた垂線の長さ)、足幅角度、第一趾側角度、第五趾側角度、足測定サイズ、推奨靴サイズが自動的に得られる。今回は麻痺側と非麻痺側の足長、足接地率、不踏幅、第一趾側角度、第五趾側角度について平均値を求め、それぞれの相違について比較した。有意差はt検定を用い検討した。
【結果】結果は、足長において麻痺側:228.3±15.9mm、非麻痺側:229.9±15.2mm。足接地率において麻痺側:41.0±6.9%、非麻痺側:48.7±8.0%。不踏幅において麻痺側:20.1±8.8mm、非麻痺側:13.8±6.2mm。第一趾側角度において麻痺側:10.0±6.5°、非麻痺側:8.8±6.6°。第五趾側角度において麻痺側:16.7±5.5°、非麻痺側:14.6±5.0°であった。麻痺側と非麻痺側では足接地率と不踏幅において有意差が見られた。
【考察】今回の結果により麻痺側と非麻痺側での接地率と不踏幅に有意差が見られ、それぞれ麻痺側の値が低いことが示された。これは麻痺側下肢への荷重が不十分であること、内反尖足によって足部外側の接地や前足部のみが接地すること、また、足趾が過度に屈曲し、母趾球に荷重できていないことによるものである。これらの特徴は撮影された足底画像からも鮮明に確認することができる。画像による判断と各々の特徴を数値化し、その有意差を検討できるという点で、測定器の臨床における有用性は十分に評価されることが示唆された。ただ、本測定器は靴の処方を目的として作成されているため、臨床応用における有用性をさらに高めるには、足圧分布や重心動揺の測定、測定範囲の拡大、段差を解消するなどの改善が必要であろう。今後は、さらに計測を続け、歩行能力や麻痺の改善に伴う足型の変化、靴の処方による歩行能力の変化などについて検討したい。
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© 2005 日本理学療法士協会
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