理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1079
会議情報

理学療法基礎系
エルゴメータ片脚駆動時の下肢筋活動について
―駆動速度による影響―
*横山 明正神谷 晃央新野 浩隆内田 成男島岡 秀奉牛場 潤一正門 由久木村 彰男
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抄録
【目的】
臨床上、エルゴメータは持久力改善目的に使われることが多いが、近年、脳卒中患者の下肢機能改善の一手段としても注目されている。ストレングスエルゴ240(三菱電機エンジニアリング社製,以下S-エルゴ)は駆動姿勢調節機能や駆動アシスト機能などを持った多機能なエルゴメータであり、われわれは基礎実験として過去の学会で、種々の条件下で健常者におけるS-エルゴ駆動時の下肢筋活動について報告した。今回は健常者においてS-エルゴ片脚駆動時の下肢筋活動を計測し、駆動速度の違いによる筋活動を比較検討したので報告する。
【対象と方法】
対象は健常男性5名。年齢は21から28歳。各被験者には研究内容を説明し、同意を得た。方法はS-エルゴにおける片脚駆動中の下肢筋活動を計測した。駆動の種類は通常のペダリング運動(以下、正回転)と逆方向への運動(以下、逆回転)。駆動速度は10・30・50・70rpmの4パターン。駆動中のペダル負荷はアイソトニックモードで3Nmとした。被検筋は右下肢の前脛骨筋(TA)、ヒラメ筋(SOL)、腓腹筋内側頭(MG)、大腿直筋(RF)、内側広筋(VM)、内側ハムストリングス(MH)とした。解析は50回転分の筋電を整流・加算平均して、筋活動パターンと各筋の活動量を比較した。
【結果】
筋活動パターンは正回転において駆動速度が上がるとMG・RF・MHの活動時期が変化した。10rpmではMGは個人差があり、一定の傾向を認めなかった。RFは伸展相初期、MHは屈曲相全般に活動していた。また、70rpmではMGは伸展相後期から屈曲相初期、RFは屈曲相後期から伸展相初期、MHは伸展相後期から屈曲相初期にかけて活動していた。
逆回転では駆動速度が上がるとMGとRFの活動時期が変化した。10rpmではMGは屈曲相全体、RFは伸展相後期から屈曲相初期にかけて活動していた。70rpmではMGは伸展相中期から屈曲相全体、RFは伸展相中期に活動をしていた。
筋活動量は正回転は駆動駆動が上がるとSOL・MG・VMの活動量は増加した。逆回転は駆動速度が上がるとSOL・MG・VM・MHの活動量は増加した。
【考察】
筋活動パターンは正回転では駆動速度が上がるとMG・RF・MHの活動が変化した。また、逆回転では駆動速度が上がるとMG・RFの活動が変化した。この要因として、これらの筋は全て二関節筋であり、駆動速度の変化により、作用が変化したものと考えられる。また、筋活動量は片脚駆動のため、対側の運動に依存できないことから、伸展相および屈曲相で推進力を得るためにSOL、MG、VMおよび逆回転でのMHが強く働き、活動量の増加につながったものと考えられる。今後は脳卒中患者における下肢機能改善に適切な治療設定を検討していきたい。
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© 2005 日本理学療法士協会
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