理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1080
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理学療法基礎系
超音波画像診断装置による水中撮影法とジェル撮影法の再現性と筋形態に及ぼす影響について
*三宅 英司山本 尚司石井 慎一郎
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抄録
【目的】現在超音波画像診断装置を用いた撮影方法は一般的に媒介物質に超音波専用ジェルを用いて行われている。しかし筋形態を撮影・測定する際に、ジェルを用いた撮影法ではプローブがジェルを介して筋肉を圧迫することで筋形態の撮影・測定に影響を与える可能性が考えられる。今回我々は、媒介物質に水を使用する水中法(以下W法)とジェルを使用するジェル法(以下J法)とで媒介物質の違いが撮影における再現性及び筋形態に及ぼす影響を検討したので報告する。
【方法】対象は、十分な説明を行い同意の得られた健常大学生4名4肢(男性4名、平均年齢20.8±3.6歳、平均身長168.5±3.4cm、平均体重57.5±4.7kg)とした。方法はデジタル超音波診断装置EUB-6500(HITACHI MEDICAL CORPORATION社製)B-mode、10MHzを用いて安静時の前脛骨筋の撮影をそれぞれ5回行った。撮影部位は膝蓋骨下縁から10cmの位置で前脛骨筋の縦断面像が鮮明にモニターできた位置とした。また超音波ビーム入射角を一定にするためにプローブの横に平行となる軸を設置した。撮影肢位は下肢用部分浴装置(SAKAI社製)に腰掛けた姿勢で膝関節伸展位、足関節底背屈0°とし、J法は部分浴装置外で、W法は部分浴装置内(水温33°C)で行った。またJ法では同一験者ができる限り筋を圧迫しないように撮影を行った。得られた超音波画像はScion Image Beta 4を用いて羽状角の計測を行い、変動係数(以下CV)・平均値・平均値差を算出し比較を行った。
【結果】算出項目を(1)W法CV、(2)J法CV、(3)W法羽状角平均値、(4)J法羽状角平均値、(5)羽状角平均値差(W法-J法)とする。被験者1:(1)1.6%、(2)1.7%、(3)12.6°±0.2、(4)11.1°±0.2、(5)1.5°。被験者2:(1)1.4%、(2)1.4%、(3)13.5°±0.2、(4)12.6°±0.2、(5)0.9°。被験者3:(1)0.7%、(2)8.3%、(3)14.7°±0.1、(4)12.2°±1.0、(5)2.5°。被験者4:(1)1.4%、(2)1.5%、(3)13.7°±0.2、(4)10.8°±0.2、(5)2.9°。
【考察】全施行においてCVが10%未満であったため両法共に再現性・信頼性があり、筋形態の撮影・測定に有用であると考えられる。また全被験者においてJ法はW法に比べて羽状角が低下していた。そのためJ法により羽状角の絶対値を測定する際には筋肉への圧迫を考慮し、W法に基づいた補正が必要であると推測される。しかし羽状角変化量を算出する場合はJ法による撮影でもよいと考えられる。
【まとめ】今後被験者数を増やし、超音波画像診断装置を用いた筋形態の撮影・測定を行う際のW法とJ法の選択について検討を進めていきたい。
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© 2005 日本理学療法士協会
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