理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 293
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神経系理学療法
急性期脳卒中患者の病型分類別リハビリテーションの実態について
*川崎 由美子末原 秀昭吉元 洋一
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抄録
【はじめに】当院の急性期脳卒中患者は、NINDS-III(National institute of Neurological Disorders and Strokes)の脳血管障害分類に基づいて治療され、早期よりリハビリテーション(以下リハ)を実施している。今回、脳卒中を病型別に分類した調査を行い、今後の早期リハの基準・プロトコール作成について検討したので報告する。
【方法】2003年11月から2004年4月までに当院神経内科に急性期脳卒中で入院した患者75名(男性44名、女性31名、平均年齢70.6±11.6歳)をNINDS-IIIによる脳血管障害の病型分類を使用し、アテローム性血栓性脳梗塞(以下ATBI)、心原性脳塞栓(以下CE)、ラクナ梗塞(以下LI)、分類不能・原因不明の脳梗塞(以下NON)、脳内出血(以下CH)に分類し、年齢、発症日、入院日、合併症の有無、リハ開始日、ギャッチアップ(以下ギャッチ)30、60、90度開始日、退・転院日までの期間について検討した。統計には一元配置分散分析を用い、有意水準5%未満とした。
【結果】対象患者の入院期間CE;41.3±27.6日、ATBI;34.1±20.8日、NON;41.3±15.9日、LI;28.9±12.1日、CH;34.6±11.3日。CE;2.1±2.1日、ATBI;5±6.9日、NON;2.6±1.8日、LI;2.9±4.2日、CH;3.8±7.6日。発症からリハ開始までの期間は全体3.1±4.7日であり、病型分類別ではCEが28例と全体の約40%、ATBI17例23%、NON12例15%、CH10例13%、LI8例11%であった。合併症についてCEでは心房細動と高血圧で各々71.4%、64.2%であり、LI、CH、NONでは高血圧が87.5%、90%と50%で、ATBIでは半数を超える合併症は見られなかった。また症状増悪した例は、CE11%、ATBI6%、NON17%、CH10%であった。入院からギャッチ30度開始までの期間はCE;1.5±2.5日、ATBI;2.5±1.5日、NON;1.4±1.5日、LI;1.8±2.2日、CH;1日、60度開始までの期間ではCE;6.7±7.8日、ATBI;4±1.6日、NON;3.6±1.8日、LI1.3±0.6日、CH2±1.6日であった。90度開始までの期間はCE;11.4±12.8日、ATBI;4.3±2.9日、NON;4.8±2.3日、LI;5.2±6.7日、CH;4.5±1.7日であり、どの項目との比較においても有意差は認めなかった。 
【考察】今回は病型分類別では有意差を認めなかった。これらは合併症の有無、症状増悪といった原因により期間にばらつきが生じたと考えられる。『NON』のリハ開始が早く行われたのは、合併症や感染症などがなく、かつ予後が比較的良いケースが多かったためと考える。合併症や感染症、症状増悪等がなければ早めのギャッチと安静解除が行え、安静期間が短い傾向にある。クリティカルパスを作成するには、病型分類別に合併症または症状増悪有り無しといったように、プロトコールの細分化を検討すべきではないかと考える。
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© 2005 日本理学療法士協会
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