理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 875
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神経系理学療法
当科における脊髄血管障害の特徴と機能予後について
*大島 富雄浅田 史成藤本 愛美大澤 傑
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抄録
【目的】
 脊髄血管障害による脊髄梗塞や出血に関する報告は、近年数多くみられるようになってきた。しかし、これらに起因する運動障害の機能予後に関する報告はまだ数少ない。今回、われわれは当科における脊髄血管障害により運動障害を呈した症例の機能予後について調査したので報告する。

【方法】
 対象は1995年から2004年の10年間に、当科にて訓練を行った脊髄血管障害者とした。調査方法はカルテより行った。調査は一般項目として原因、年齢、性別および訓練期間。機能項目として訓練開始と退院時のASIA Impairment scale、motor score、FIM scoreおよび退院時の自立状況とした。

【結果】
 対象は22例(男性11、女性11)であった。原因別の内訳は大動脈瘤術後の梗塞(以下、術後群)12例、特発的な梗塞(以下、特発群)7例、出血(以下、出血群)3例であった。以下、原因別に3群に分け記述する。
 発症時の平均年齢は、術後群69.3±7.7才、特発群55.6±20.7才、出血群35.3±20.6才であった。
機能項目では、一部評価できない状態であったものが含まれていたが、以下の結果が得られた。
 Impairment scaleは、術後群ではA3例、B4例、C2例、D2例、不明1例。特発群はB2例、C3例、D2例であった。出血群ではA1例、C1例、D1例であった。
 motor scoreの平均は、開始時と退院時それぞれ、術後群(n=8)が62.1±19.4から75.0±16.1に改善。特発群(n=7)は69.0±15.4から79.3±11.3に改善。出血群(n=2)では59.0±12.7から64.5±20.5に改善した。
 FIM scoreの平均は、開始時と退院時それぞれ、術後群(n=5)が90.2±22.4から116.4±9.0に改善。特発群(n=6)は90.7±24.2から115±16.7に改善。出血群(n=2)では117.0±4.2から124±0に改善した。
 自立状況は、術後群が社会自立2例、家庭内自立3例、家庭内介助1例、転院4例、死亡2例であった。特発群は7例全例が家庭内自立であった。出血群は社会自立2例、家庭内自立1例であった。

【まとめ】
 3群各々は、術後群では高齢者で、全身状態の不良例が数多くみられた。特発群では中高年で不全麻痺が多く、出血群は3例と少ないが、女性で若年者という特徴が見られた。
 機能回復は、motor scoreの開始時から退院時までの変化は、平均すると特発群10.3±13.9、術後群6.4±6.1、出血群4.0の順に改善があった。しかし、この結果には廃用性の筋力低下の改善も含まれており、麻痺域だけをみると、術後群と出血群では著明な改善が認められなかった。
 一方FIM scoreの開始時から退院時までの変化は、平均すると術後群26.2±14.7、特発群24.3±24.2と著明な改善がみられ、出血群は5.0±7.0とわずかな改善に留まった。しかし退院時のFIM score平均は、出血群が124で最も高く、自立状況でも出血群と特発群で良好な結果が得られた。
 以上より脊髄血管障害ではmotor scoreの改善は少なかったが、FIM score、と自立状況で比較的良好な結果がみられた。
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© 2005 日本理学療法士協会
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