理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 877
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神経系理学療法
脳卒中患者の急性期から回復期における動作獲得に関する検討
―転院先病院からの退院時情報を通して 第2報―
*濱村 奈々子田原 靖子小泉 徹児山下 久美濱本 龍之森 治子清水 章宏
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抄録
【目的】当院は単独の急性期病院であり、以前より近隣の回復期や療養型の施設と連携の基、脳卒中患者の急性期リハを模索し取り組んでいる。今回、当院からの転院患者数が最も多いリハ病棟を有するK病院の退院時情報を元に平成11年度と15年度の当院からK病院退院時までの脳卒中患者の経過を整理した。そこで急性期理学療法の目標設定を基本動作の視点から検討したので報告する。
【対象】平成10年9月~12年1月(以下、H11群)と14年10月~16年1月(以下、H15群)に当院脳外科病棟に入院しK病院へ転院した脳卒中患者50名と45名。
【方法】当院のリハ記録とK病院の退院時報告書より後方視的に調査。調査項目は基本属性と基本動作能力を中心に、当院理学療法開始時(以下、開始時)・転院時・K病院退院時(以下、退院時)に分け比較した。
【結果】※( )内は、H11群の値を示す。1)基本属性…疾患内訳;脳内出血22名(28名),脳梗塞23名(22名)、平均年齢;70.5歳(67.8歳)。2)平均入院日数;当院20.2日(35.4日),K病院100.9日(94.3日),全入院期間121.1日(127.5日)。4)基本動作の自立者の割合(開始時・転院時・退院時の順)…寝返り;56%・60%・91%(24%・84%・98%)、起き上がり;7%・44%・87%(4%・80%・94%)、端座位;7%・47%・82%(6%・80%・92%)、立上がり;0%・29%・76%(2・74・84%)、歩行;0%・11%・62%(0%・10%・68%)。5)下肢のBr.stage…I・II;25%(40%)、III;9%(20%)、IV・V・VI;44%(40%)、無し;22%(0%)。6)開始時のJCS…清明;13%(28%)、I桁;69%(58%)、II桁;16%(14%)、III桁;2%(0%)。
【考察】上記の結果よりH11群とH15群との比較では、年齢には有意差がなく、全入院期間も同様であった。しかし、当院での入院日数は有意に短縮していた。基本動作では、退院時の歩行は両年度とも6割が自立していたが、転院時に自立者が多かった動作はH11群が立上がりまでで、H15群では端座位までであった。その要因としては、下肢のBr.stageよりも意識障害の影響が考えられる。更にH15群で端座位までの自立者と非自立者とで退院時の歩行自立の割合を見ると100%と49%で、H11群の立上がりまでの自立者と非自立者との歩行自立の割合90%と24%を上回っていた。
【まとめ】在院日数の短縮に伴う当院での脳卒中患者の急性期理学療法の目標設定として、端座位までの基本動作能力の獲得という指標を得た。今後は再開した急性期の病棟専属PTのシステムを含め、急性期リハの病棟スタッフとの協業を整理し、急性期理学療法の具体的な質的向上が必要と考える。
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© 2005 日本理学療法士協会
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