理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 900
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神経系理学療法
精神科リハビリテーションにおける運動療法の効果
―水間病院での実践報告―
*沖田 幸治
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キーワード: 精神疾患, 運動療法, FIM
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抄録
【目的】
従来精神疾患に対するリハビリテーションとして作業療法と心理療法が広く行われてきた。しかし、近年、伊藤、仙波、武田、山本、横田らにより運動療法の導入が精神疾患の症状改善に寄与することが報告された。そこで、精神疾患患者に対し運動療法を施行し、ADLの維持または改善に寄与できるか検討を加える必要があると考えた。
 今回我々は、長期入院患者の院内ADLの改善に対して運動療法の有効性を検討するために研究を行った。
【方法・対象】
対象は、本院入院中の精神疾患患者のうち、医師から運動療法の処方が出され、本研究への参加の同意の得られた男性10名、女性5名の計15名とした。 研究期間は平成15年9月から16年10月までの13ヶ月とした。研究期間の途中で運動療法を拒否し、中止となった群を非実施群、運動療法を継続した群を運動群とした。
運動療法に使用した機種は、compass(サカイ医療製)の6機種(チェスト・プレス、ローイング、トーソ・エクステンション/フレクション、ヒップ・アブダクション/アダクション、レッグ・エクステンション/フレクション、ホリゾンタル・レッグプレス)を用いた。実施回数は2回/週とし、1クールを3ヶ月行い継続するか否かを検討した。運動強度と頻度は、10回を1セット×3セット行いBorg指数の「楽にできる」を目安とした。評価項目は、運動体力評価ならびにFIM(運動項目、認知項目)を行った。分析は、対応のあるt検定を用い危険率5%未満を有意差とした。
【結果・考察】
運動群と非実施群とのBMIとFIM(運動項目、認知項目)について比較検討した。
 BMIにおいては、運動群では危険率5%未満で有意に低下し、非実施群では有意差は認められなかった。FIMの運動項目においては、運動群と非実施群ともに有意差は認められなかったが、FIMの認知項目において運動群では危険率5%未満で有意に低下し、非実施群では有意差は認められなかった。
 BMIの低下については、定期的かつ漸増的な運動療法を実施することで低下したと考えられる。FIMの認知項目の改善は、運動療法を定期的かつ継続的に実施することで、コミュニケーションならびに社会的認知の改善を得られたと考えられる。
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© 2005 日本理学療法士協会
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