理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 144
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骨・関節系理学療法
関節リウマチの身体活動量と炎症マーカー
―理学療法評価としてのADL・歩行時間の関連性―
*西山 保弘佐藤 義則塩川 左斗志山元 裕子工藤 義弘矢守 とも子尾山 純一
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抄録
【目的】
 加速度センサーを内蔵した携帯型身体活動装置を用いて関節リウマチ(以下、RA)の身体活動量と炎症との関係を検討する中で、スタンダードな理学療法評価手段であるADL評価、10m歩行時間との関係を検討し若干の知見を得たので報告する。
【方法】
 対象は、外来RA患者女性13名(平均年齢54.3±7.1歳)、入院RA患者女性14名(平均年齢58.76±11.7歳)、健常女性6名(平均年齢47.16±13.2歳)。尚、対象には本研究の意義を理解して頂き承諾を得た。測定方法は、身体活動量測定装置(GMS社製アクティブトレーサーAC-100)を使用した。本機を患者の腰部にベルトで固定し、最低2日から最大7日間装着した。身体活動量のデータ処理は、毎分平均加速度を1時間毎に加算し、さらに以下の時間帯に分類した。24時間総カウント数をトータル (TC)、午前帯 (MC)、午後帯 (AC)、夜間帯(NC)とした。理学療法評価は、移動評価:10m歩行時間、QOL評価:Face Scale、ADL評価:厚生省特定疾患神経筋疾患リハビリテーション調査班ADLテスト表(ADL)、炎症マーカーは、Lansbury index(AI)、C反応性タンパク(CRP)、血沈(ESR)を調べた。
【結果】
 外来患者の身体活動量と炎症マーカーとの関係は、CRPは、R=0.677、p<0.05、外来患者のTCとESRの関係は、R=-0.623、p<0.05であった。次に外来患者のTCとLansbury Indexとの関係は、R=-0.62、p<0.05であった。次に入院患者のTCとCRPの関係は、R=0.032、相関は認めなかった。外来患者では、24時間身体活動量のTCと炎症マーカーは関係し、Face Scaleは、MC午前帯をのみを除き高い相関を認めた。対し、入院患者では、低い相関となった。外来患者と健常女性の身体活動量の比較では、午後帯のみ有意差を認めた。外来患者の各身体活動量と炎症マーカー(平均ESRは59.3±38.9mm/1時間、平均CRPは3.41±2.65mg/dl)と理学療法評価の相関は、平均10m歩行時間は10.9±2.27秒で、10m歩行時間、ADLテストには有意な相関は認めなかった。TCとESR、CRP、Face Scale、AIの各に相関を認めた(p<0.05)。また、ACとFace Scale(p<0.01)NCとFace Scale(p<0.05)を認めた。健常主婦の身体活動量に対する外来・入院患者の比率で、TCでは、外来患者は73%を占め、各時間帯とも60%以上を占めていた。入院は50%弱であった。
【考察】
理学療法評価の10m歩行時間とADL評価は、機能評価としては有効かもしれないが、生活活動量としての身体活動評価としては、関与が低い事が示唆される。外来患者の身体活動量は、健常主婦に対しTC 73%、AC午前帯60%と予想以上に多く、同じ主婦の外来患者ではCRPやESRの炎症マーカーに影響を及ぼしていた。しかし、外来患者では、身体活動量が多いのに対して、QOL指標としてのFace Scaleに負の強い相関を認めた。
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© 2005 日本理学療法士協会
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