理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 146
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骨・関節系理学療法
超音波画像解析による大腿四頭筋の形態的特性と膝伸展筋力の関係
*市橋 則明大畑 光司西村 純坪山 直生
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抄録
【目的】本研究の目的は、1)超音波法で求めた大腿四頭筋の筋厚と筋線維の走行角度(羽状角)を収縮時と安静時で比較すること、2)大腿四頭筋の形状と膝伸展筋力の相関関係を明らかにすることである。
【対象と方法】本研究に同意を得た某クラブに所属する健常男子学生28名(平均年齢20.6±1.3歳)を対象とした。測定肢位は背臥位(膝伸展位)とし、超音波画像診断装置を用いて大腿四頭筋の筋厚と羽状角を求めた。筋厚と羽状角は安静時と大腿四頭筋の収縮時に測定した。測定部位は上前腸骨棘と膝蓋骨上縁を結んだ線上の1/2(大腿直筋(RF)と中間広筋(VI):部位1)と遠位1/3から3cm外側(外側広筋(VL)と中間広筋(VI):部位2)とした。さらに、同部位の横幅(R)および大腿長(L)を測定した。膝伸展筋力の測定には等速性筋力評価訓練装置(MYORET)を使用し、角速度60deg/secでの等速性膝伸展時の最大トルクを求めた。安静時、収縮時の筋厚(MT)より断面積の指標であるπ×(MT/2)2、MT×R、体積の指標であるπ×(MT/2)2×L、MT×R×Lを算出し、それらの指標と膝伸展トルクのPearsonの相関係数を求めた。
【結果と考察】部位1での安静時のRFの筋厚は27.2±3.3mm、羽状角17.7±4.6度、VIの筋厚は24.3±4.8mm、羽状角16.8±5.8度であった。収縮することによりRFの筋厚は32.5±4.1mm、羽状角24.3±4.0度、VIの筋厚は25.4±3.6mm、羽状角22.0±6.3度と有意に増加した。部位2での安静時のVLの筋厚は22.8±3.4mm、羽状角18.4±4.7度、VIの筋厚は18.9±3.4mm、羽状角18.2±3.9度であった。収縮することによりVLの筋厚は26.3±3.7mm、羽状角22.5±5.5度、VIの筋厚は21.9±3.8mm、羽状角23.1±4.6度と有意に増加した。膝伸展トルクと安静時のRF+VIの筋厚との相関係数は、r=0.26と有意な相関関係になかったが、収縮時の筋厚との相関係数はr=0.46と増加し有意な相関関係となった。一方、VL+VIの筋厚との相関係数は安静時r=0.34、収縮時r=0.36と有意な相関係数を示したが収縮の有無による違いはなかった。安静時、収縮時のπ×(MT/2)2、MT×R、π×(MT/2)2×L、MT×R×Lと膝伸展トルクの関係は、すべての項目で筋厚よりも高い有意な相関関係を示した。最も相関係数が高かった項目は、部位1における筋の体積を表す指標であるMT×R×Lのr=0.63、ついでπ×(MT/2)2×Lのr=0.55であった。筋体積の指標においても収縮時の方が安静時よりも筋力との相関係数は高かった。本研究により超音波法による筋厚測定では、安静時だけでなく収縮時の筋厚を測定すべきこと、筋力は筋厚よりも筋体積と相関係数が高いことが明確になった。
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© 2005 日本理学療法士協会
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