理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 313
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骨・関節系理学療法
足関節内外反筋力測定における再現性の検討
*野村 麻衣千葉 健小野寺 智亮川 美千代平野 充山中 正紀
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抄録
【はじめに】
スポーツ現場やレクリエーション活動において、足関節の外側靭帯損傷は最も多くみられる傷害であり外側靭帯損傷と足関節の動的支持機構である内反、外反筋力との関係について多くの研究がある。しかし、筋力測定時の膝、足関節肢位は統一されてはいない。足関節の内外反に関わる筋活動は複雑であり、筋力測定に関してはその測定肢位を適切なものにしなければ代償動作などのため再現性が得られにくい。そのため測定肢位は代償動作が起こりにくく、再現性が高いものに統一される必要がある。膝関節を屈曲10°にすることで下腿回旋による代償を最小限に抑えられるという報告や足関節底屈10°が最も筋力を発揮しやすく、また高い再現性を示したという報告がある。これらの報告から膝、足関節角度が再現性に影響を与えると思われ膝、足関節双方を規定する必要性があると思われる。
よって本研究では膝関節、足関節角度をともに最も再現性が高いとされる肢位に設定し、その再現性を立証することを目的とする。
【方法】
下肢に外傷の既往のない健常成人男女14名(男性8名、女性6名、年齢22.3±2.1)を対象とした。等速性筋力測定装置(Biodex)を用い、測定は椅坐位とし、体幹、大腿遠位をベルトで固定した。測定肢位は膝10°屈曲、足関節10°底屈とし、足部を測定アタッチメントにベルトで固定した。測定は角速度60°/secで足関節内外反求心性収縮を最大随意努力にて5回測定した。測定項目はpeak torque、対体重比、外内反比(E/I)とし、測定した5回の値のうち、最大と最小値を除いた3回の平均とした。各テスト前にウォームアップとして被験者は数回最大下で練習した。再現性を検討するため、同一被験者に対し同様の測定を少なくとも48時間空けて行った。統計処理は各項目で級内相関係数(ICC)および性差を求めた。有意水準を0.05未満とした。
【結果・考察】
外反のpeak torque(男性19.51±3.72、女性12.77±4.01、p<0.01)、対体重比(男性31.33±4.90、女性24.62±8.50、N.S.)、内反のpeak torque(男性23.48±8.03、女性14.92±2.17、p<0.05)、対体重比(男性37.10±12.74、女性28.79±5.81、N.S. )、および外内反比(男性0.92±0.34、女性0.86±0.24)の全ての測定項目においてICCは0.76以上を示し再現性が確認された。
性差に関しては、peak torqueでは内外反ともに有意な差がみられたが、他の項目では差は認められなかった。この結果は先行研究と同様であった。
本研究では、下腿回旋による代償が最小限に抑えられ、筋力が発揮しやすい肢位に膝、足関節を規定したため、再現性が得られたのではないかと思われる。
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© 2005 日本理学療法士協会
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