2019 年 80 巻 12 号 p. 2164-2169
56歳,女性.食道癌ESD後非治癒切除の判定にて食道亜全摘,胸骨後経路回結腸間置術を施行(pT1bN0M0 Stage I)し,フォロー中に造影CTで経時的に増大する前縦隔腫瘤を認めた.再建回腸よりEUS-FNA施行するも診断に至らず,増大傾向にあり再発も否定できないため,診断的治療目的に切除の方針とした.病理結果は,desmoid腫瘍であった.Desmoid腫瘍は,遠隔転移はないものの局所再発の多い腫瘍で良性に分類される.腹部手術術後に腸間膜desmoid腫瘍の報告はあるが,食道癌術後再建の回腸間膜にできたという報告はない.挙上腸管にもdesmoid腫瘍の可能性があることを念頭に置かなければならない.若干の文献的考察を加えて報告する.