理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 317
会議情報

骨・関節系理学療法
足関節内外反筋の疲労が足関節内反位置覚に及ぼす影響
*小野寺 智亮川 美千代千葉 健野村 麻衣平野 充山中 正紀
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【はじめに】
足関節の内反捻挫はスポーツ外傷の中で多い外傷の一つである.内反捻挫は筋疲労が出やすい競技後半に生じることが多い印象を受ける.姿勢保持において感覚情報は重要な因子の1つであり、筋疲労によって関節位置覚に何らかの変化が生じ内反捻挫に関連するのではないかと考えた.筋疲労における位置覚の影響に関しては、肩関節や膝関節で研究されており、いずれの研究も筋疲労に伴い位置覚は低下すると報告している.また、足関節においても底背屈筋の筋疲労により底背屈の位置覚が低下するという報告がある.しかし、内外反筋の疲労に関する研究はなされていない.足関節捻挫は足関節側方筋の関与が大きいと言われており、内外反筋の筋疲労の影響を明らかにすることは重要である.よって本研究の目的は、足関節内外反筋の筋疲労が足関節内反の位置覚に与える影響を調べることである.
【対象】
足部に外傷の既往のない健常成人男女8名(平均年齢21.7歳±4.3)とした.
【方法】
測定肢位は膝関節屈曲10°、足関節底屈10°とし、位置覚測定角度は足関節内反15°と足関節内反最大可動域手前5°とした.この2つの角度を事前に覚えてもらい、位置覚測定は等速性筋力測定装置(以下BIODEX)のパッシブモード(角速度2°/sec)にて行った.事前に覚えた角度と一致したと感じたときに被験者がストップボタンを押し、覚えた角度と止めた角度との誤差を疲労前後で比較した.この位置覚の測定は疲労前後で各測定角度を3回ずつランダムに計12回行った.被験者はヘッドフォンと目隠し、さらに足部にスポンジを敷き、聴覚と視覚そして足部の圧覚を軽減させた.
疲労方法はBIODEXのアイソメトリックモードを用いて最大筋力の70%を40秒間維持し、その後40秒間休息するということを交互に行った.最大筋力の70%の筋力を15秒以上維持できなくなった時点で疲労と定義した.
足関節内反筋と外反筋のどちらを疲労させるかについては順序はランダムで、一方の実験後48時間以上あけて行った.
解析は同一被験者間で筋疲労前後での角度の誤差を対応のあるt-検定にかけ、危険率5%(p=0.05)未満とした.
【結果・考察】
足関節内反15°に関しては、内反筋・外反筋ともに疲労後で誤差の平均値は有意に大きくなった.(p<0.04)一方、足関節内反最大可動域手前5°に関しては、内反筋・外反筋ともに疲労後で誤差の平均値が大きくなる傾向はみられたが有意差はみられなかった.(p<0.25)
また、内反筋疲労と外反筋疲労を比較すると、外反筋疲労のほうが誤差の平均値が大きくなる傾向があった.
【結論】
以上のことから、足関節の筋疲労は足関節の位置覚を低下させると考えられる.特に外反筋の疲労が足関節の内反の位置覚に大きく影響していると考えられる.
著者関連情報
© 2005 日本理学療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top