理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 318
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骨・関節系理学療法
足関節外側靱帯損傷の受傷機転と圧痛部位の関係
*板倉 尚子鳥居 俊
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抄録
【目的】足関節外側靱帯損傷は発生頻度の高いスポーツ外傷のひとつである。受傷早期に受傷部位と重症度が的確に判断され、適切な治療がなされることは、早期スポーツ復帰のためには必要不可欠である。足関節外側靱帯損傷後の圧痛部位の確認は、損傷部位確認のために必要な理学所見である.今回、足関節外側靱帯損傷受傷後の圧痛部位について受傷機転別に分類したので報告する.
【方法】1994年4月1日~2004年3月31日までの10年間において新規利用者総数は2191件(学生2135件、その他49件)であり、足関節外側靱帯損傷と診断された学生は236名(11.1%)であった(陳旧性および手術後を除く)。236名のうち受傷日から理学療法開始までの期間が72時間以内のものは71件であった。これらのうち腫脹が著しく圧痛部位の確認が困難なものを除き、またカルテの記載が充分であった60件について受傷機転、初期評価時の圧痛部位をカルテより情報収集した。
【結果】受傷機転は方向転換動作や走行時の非接触による損傷(以下NTR)13件(21.7%)、同様の動作での接触による損傷(以下CTR)6件(10%)、ジャンプ着地での非接触による損傷(以下NJ)8件(13.3%)、同様の動作での接触による損傷(以下CJ)16件(26.7%)、不整地や斜面での運動活動による受傷6件(10%)、その他11件(18.3%)であった。圧痛部位は前距腓靱帯(以下ATaF)、踵腓靱帯(以下CF)、後距腓靱帯(以下PTF)、前脛腓靱帯(ATiF)、内果周囲(MM)について確認した。受傷機転別分類はスポーツ特有な動作として前述のNTR、CTR、NJ、CJとした。ATaFはNTR12件(92.3%)、CTR6件(100%)、NJ8件(100%)、CJ14件(87.5%)。CFはNTR7件(53.8%)、CTR4件(66.7%)、NJ6件(75%)、CJ8件(50%)。PTFはNTR2件(15.4%)、CTR3件(50%)、NJ1件(12.5%)、CJ2件(12.5%)。 ATiFはNTR3件(23.1%)、CTR1件(16.7%)、NJ2件(25%)、CJ3件(18.8%)。MMはNTR3件(23.1%)、CTR3件(50%)、NJ2件(25%)、CJ11件(68.8%)であった。
【考察】急性外傷発生後に適切な理学療法を施行するために、損傷部位を詳細に確認する必要がある.そのため受傷機転の詳細な聴取と圧痛部位の確認が求められる。今回、圧痛部位と受傷機転の関係について確認したところ、いずれの受傷機転でも圧痛が最も多く確認されたのはATaF、次いでCFであった。重傷度が最も高いとされているCJではMMに著明に圧痛が確認され(68.8%)、特にこの受傷機転においては足関節外側靱帯部のみならず、内果部合併症を予想し評価する必要性を示した.
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© 2005 日本理学療法士協会
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