理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 322
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骨・関節系理学療法
全国高校野球選手権群馬県大会におけるメディカルサポートについて
*中澤 理恵坂本 雅昭山路 雄彦唐澤 和彦
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抄録
【目的】
我々は,群馬県高校野球連盟(県高野連)からの依頼により平成14年度の第84回全国高校野球選手権群馬県大会(以下:大会)からメディカルサポートを開始した(平成15年に本学会で報告)。県高野連との相談の上,翌年の第85回大会以降からクーリングダウンに加え傷害予防やアクシデントに対するテーピング・応急処置が追加された。本研究の目的は,各大会におけるメディカルサポートの内容を整理し,今後の課題を明らかにすることである。
【対象及び方法】
対象は,第84回大会の4回戦(ベスト16)以降に出場した延べ32チーム,第85回・第86回大会の3回戦以降に出場した各々延べ64チームの計160チームとした。メディカルサポートを行うため,群馬県スポーツリハビリテーション研究会を通じ,本県内の理学療法士にボランティア参加を募った。メディカルサポートの内容は,4回戦以降の投手及び野手別のクーリングダウン(ストレッチング),3回戦以降の試合前および試合中のアクシデントに対するテーピングや応急処置であった。指導内容を統一するため,事前に講習会を行った。また,高校野球では投手は連投となることが多いため,投球数,肩および肘関節の痛みの有無,疲労感等に関するチェック表を作成した。準決勝・決勝戦を除き試合会場は2球場であり,各球場に投手担当2名,野手担当4名以上が常駐するように配置した。
【結果及び考察】
メディカルサポートに参加した理学療法士は,延べ191名(第84回大会64名,第85回大会66名,第86回大会61名)であった。その内訳は,投手担当が延べ52名(第84回大会19名,第85回大会17名,第86回大会16名),野手担当が延べ98名(第84回大会36名,第85回大会29名,第86回大会33名)であった。クーリングダウンは,第84回大会30チーム,第85回大会28チーム,第86回大会29チームに対して行い,投手は延べ108名(第84回大会37名,第85回大会32名,第86回大会39名)に対して実施した。投手の痛みは,肩関節が5名(第84回大会0名,第85回大会3名,第86回大会2名),肘関節が23名(第84回大会11名,第85回大会6名,第86回大会6名)であり,各大会を通じて肘関節の痛みが多かった。また,テーピングは延べ24名(第84回大会13名,第85回大会3名,第86回大会8名)に対して実施した。第84回大会の対応が最も多く,正式にサポート内容として開始した第85回大会以降は少ないという結果であった。これは,第85回大会から各チームでのテーピング対応が事前申告により可能となったためと考えられる。しかし,クーリングダウンの際にテーピングを行うことでパフォーマンスが向上すると思われる選手が認められた。理学療法士によるテーピング対応に関して,監督・選手への周知・理解の必要性が感じられた。
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© 2005 日本理学療法士協会
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